デイケアの専門用語「IADL(手段的日常生活動作)」を詳しく教えて!

こんにちは、カナさん。デイケアのことをもっと知りたいと思っているんですね。今回は「IADL(手段的日常生活動作)」について、わかりやすくお話ししますね。IADLは、料理や買い物、電話の操作など、一歩進んだ日常生活の動きを指します。おばあさまが自分らしく過ごせるよう、デイケアではこうした動作のサポートやリハビリも大切にしています。ぜひ安心してお任せくださいね。
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IADL(手段的日常生活動作)とは何ですか?

カナ: IADL(手段的日常生活動作)とは何ですか?
和田: カナさん、IADLは「手段的日常生活動作」のことで、日常生活の中で少し複雑な作業を指しています。たとえば、買い物や料理、薬の管理、公共交通機関の利用などですね。これらは生活を自立して送るうえで欠かせない動作です。具体的には、家事を行う能力や金銭管理なども含まれます。ちなみに、簡単な食事の準備や薬の服用はADL(基本的日常生活動作)に含まれますが、IADLはもう少し踏み込んだ生活の動きですね。
カナ: なるほど。ADLとIADLの違いはどのあたりにあるのでしょうか?
和田: 良い質問ですね。ADLは「基本的日常生活動作」といい、食事や着替え、トイレ、歩行といった体の動きや身の回りのことを指します。たとえば、「顔を洗う」「トイレに行く」「立ち上がる」といったことですね。IADLは、その次の段階で、生活をより豊かに自立して送るための活動と考えると分かりやすいです。たとえば、週に1回でもゴミ出しができるか、銀行でお金を下ろせるか、これはADLでは評価しきれない部分ですよね。
カナ: IADLの評価は具体的にどんな方法で行うのですか?
和田: IADLの評価はよくスケールを使って行います。有名なのは「LawtonのIADLスケール」というもので、日本では8項目をチェックします。内容は電話の使用、買い物、料理、掃除、洗濯、交通手段の利用、薬の管理、金銭管理ですね。それぞれの項目について「自立している」「援助が必要」「全くできない」の3段階で評価し、合計点で状態を把握します。例えば、合計点が8点満点中6点以下だと、どこかに支援が必要な状態と判断されることが多いです。
カナ: ありがとうございます。祖母の場合、デイケアでのリハビリがどのようにIADLの改善につながるのか教えてもらえますか?
和田: はい。通所リハ、つまりデイケアでは、IADLの改善を目的に様々なリハビリを行っています。例えば、認知機能訓練としては、買い物の時の計算練習や料理のレシピを見て手順を覚える訓練をします。身体機能面では筋力トレーニングやバランス訓練、ウォーキングなどがあります。これにより、筋力評価でよく使われる「30秒間椅子立ち上がりテスト」が改善し、初回の10回から20回に増えるという結果も見られます。そうすると、立ち上がりや歩行が楽になり、買い物に行く活動範囲が広がる可能性が高まります。さらに、認知機能の改善が見られると、薬の管理や金銭管理のミスが減ったり、交通機関の利用がスムーズになったりするんですね。
カナ: 継続的にリハビリをすると、祖母の生活には具体的にどんな変化が期待できるでしょうか?
和田: 例えば、6ヶ月間継続した場合、身体機能評価の「歩行速度」が0.1〜0.2m/秒改善することがあります。歩行速度の改善は転倒リスクの低下や自信の回復につながり、外出頻度が増えます。また、認知機能検査のスコアが3〜5点上がるケースもあり、これにより買い物や薬の管理がしやすくなります。その結果、生活の幅が広がり、介護負担が軽減されることも期待できます。祖母さんの日常がより自分らしく過ごせるようになるんですよ。
カナ: ありがとうございます、和田先生。とても参考になりました。もう少し具体的なリハビリ内容を教えてもらえますか?
和田: もちろんです。たとえば身体リハビリでは、筋力トレーニングとしてゴムバンドを使った手足の屈伸運動を1セット10回×3セット、週3回行います。バランス訓練は片足立ちや踏み台昇降を取り入れ、転倒予防に力を入れます。認知リハビリは数字や言葉を使ったゲーム、買い物メモの作成練習、実際の買い物シミュレーションなどです。こうしたプログラムで半年続けた方では、歩行速度が平均で0.15m/秒上がり、認知機能スコアが5点前後改善した例が多数あります。これにより、日常の動作が楽にできるようになり、外出や社会参加が増えるのです。
カナ: とても理解が深まりました。デイケアに入れることで祖母の自立にも繋がりそうですね。
和田: その通りです。デイケアは単に預ける場所ではなく、祖母さんの生活の質を高めるための支援の場です。何か疑問点があれば、いつでも気軽に相談してくださいね。

デイケアでIADL(手段的日常生活動作)が重要視される理由は?

カナ:デイケアでIADL(手段的日常生活動作)が重要視される理由を教えてください。
和田:カナさん、IADLとは「手段的日常生活動作」のことで、例えば買い物や料理、電話の操作など、より社会生活に関わる動作を指します。デイケアでは単に食事や入浴などの基本的な動作(ADL)だけでなく、このIADLが大切にされています。なぜかというと、IADLができることで利用者さんが家での生活をより自立的に、安心して送れるからです。具体的には、IADLがうまくできなくなると、生活の自由度が大きく制限され、介護負担が増えることが多いんです。
カナ:なるほど、ADLとIADLの違いが少しわかってきました。デイケアのリハビリでは具体的にどんなIADLを改善するためのメニューがあるのでしょうか?
和田:いい質問ですね。例えば「買い物動作」の改善を目指す場合は、まず立ち上がりや歩行の練習から始めます。歩行距離を300メートル以上維持できるように歩行訓練を行うこともあります。これは、実際に外出して買い物に行ける距離です。また、料理や掃除の動作に必要な手指の細かい動作を支えるための作業療法もあります。数字でみると、こうしたリハビリにより、例えば「機能的自立度評価(Functional Independence Measure)」という評価で、IADL関連の項目が平均で10点から14点へ向上したケースが多いです。結果的に、これにより利用者さんが週に数回自分で買い物に出かけられるようになったり、電話を使って外部と連絡ができるようになったりします。
カナ:具体的に機能的自立度評価の点数が上がると、どんなふうに日常生活が変わるんでしょうか?
和田:例えば、14点まで上がると、料理の下ごしらえや簡単な掃除、薬の管理といったことが自分でできる確率が非常に高まります。つまり、ご家族の援助が少なくても、本人の安全や健康を維持しやすくなるわけです。また、週に1回以上の外出も可能になるため、社会的なつながりを持ちやすくなり、認知機能の維持にもつながります。これを持続すると、介護度の悪化を数値的に抑制できるというデータもあります。
カナ:なるほど、IADLが改善されると自立生活の幅が広がるんですね。逆にIADLが低下してしまうと、どんなリスクや問題が起こるのでしょう?
和田:そうですね、IADLが低下すると、買い物や料理ができなくなり、栄養状態が悪化するケースもあります。外出が減ることで身体機能の低下や認知機能の悪化も進みやすいです。結果、転倒リスクや誤嚥性肺炎のリスクが増え、入院や施設入所が早まることもあります。ですので、デイケアでのリハビリはこの低下を防ぎ、生活機能を維持・向上させることを目指しています。
カナ:そうしたリスクも踏まえると、デイケアでリハビリを続けることが大切になるんですね。リハビリの頻度や期間の目安はありますか?
和田:通常は週に2~3回のリハビリを3か月から半年続けることが多いです。専門スタッフが利用者さんの状態を評価しながら、運動内容や強度を調整します。長く継続することによって、例えば歩行速度が0.6m/秒から0.9m/秒に上がるなどの改善がみられ、これは生活圏の拡大を意味します。継続することで、体力や筋力だけでなく、認知機能も安定的に保持できます。
カナ:詳しい説明でとても理解が深まりました。今後も祖母の様子を見ながら、必要なサポートを検討したいと思います。ありがとうございました。
和田:どういたしまして。カナさんが安心しておばあ様のケアに向き合えるよう、いつでもご相談くださいね。

IADL(手段的日常生活動作)とADL(日常生活動作)の違いは何ですか?

カナ: IADLとADLの違いって具体的にどういうことですか?祖母をデイケアに入れるにあたって知っておきたいんです。
和田: いい質問ですね、カナさん。ADLは日常生活の「基本的な動作」を指し、食事、着替え、排泄、入浴、移動など自分で身体を動かす最も基本的な動きのことです。たとえば、1人でスムーズにトイレに行けるかどうかがADLの評価ポイントです。
一方で、IADLはADLより少し進んで、「生活を営むための手段的な動作」を指します。買い物や料理、家計管理、公共交通機関の利用など、社会生活を送るうえで必要な行動を指し、もう少し生活の幅広い部分に関わるんです。
カナ: なるほど、基本動作がADLで、より高度な生活の動作がIADLなんですね。祖母の場合、最近料理や買い物が難しくなってきたと聞いていますが、それはIADLの低下なんですね。
和田: まさにその通りです。デイケアに来ていただく理由にもつながります。ADLができていてもIADLが難しくなっていくことは多いんです。たとえばADLは80点満点で評価するものもありますが、祖母さんが自分で服を着る、トイレに行くという項目は70から80点の間にある一方で、IADLは例えば買い物や提示されたレシピで料理を作る能力は30点くらいに低下していることもあります。
カナ: そうすると、デイケアではこれらの機能を維持・改善するためにどんなリハビリを行うんでしょうか?
和田: デイケア、つまり通所リハでは、医師の指示に基づき専門的なリハビリを行います。たとえば、歩行訓練や筋力トレーニング、認知機能向上のための作業療法などが基本です。
具体的には、筋力トレーニングでは、週3回30分ずつの下肢筋力強化運動を実施。これにより、平均で6週間後に足の筋力が10%程度上がり、歩行速度も0.1メートル/秒程度改善するデータがあります。また、認知リハビリとしては、記憶力や注意力のトレーニングを週2回行い、MMSE(認知機能評価)で2~3点の改善が目指せます。
これらが続くことで、祖母さんの日常生活では例えば「家の中でつまずく回数が減る」、「トイレまでの歩行が安定して自立度が上がる」、「買い物リストを覚えて実際に店に行ける」など具体的な生活の質の向上につながるのです。
カナ: なるほど、そういう具体的な数字があるとイメージしやすいです。リハビリが終わるころには、祖母のADLやIADLもどの程度改善することが期待できるんでしょうか?
和田: 個人差はありますが、たとえばADL評価で60点だった方が、6か月のリハビリで65~70点に上がるケースは多いです。IADLはそれ以上に改善が見られる場合もあります。買い物や簡単な調理など、少しずつ自分でできることが増えると、生活の自立度が高まり、不安や介護負担も軽減されます。
カナ: そうなるとデイケアってただの預かりじゃなくて、祖母の生活を回復させるための重要な場所なんですね。
和田: その通りです。通所介護のデイサービスが交流やレクリエーション中心なのに対し、通所リハテーションであるデイケアはリハビリを通じて利用者様の体力や認知機能、生活能力の回復を支える場です。
カナ: ありがとうございます、和田先生。自信を持って祖母を任せられそうです。
和田: そう言っていただけて嬉しいです。何か気になることがあれば、いつでも質問してくださいね。

デイケアの支援でIADL(手段的日常生活動作)をどう評価するのですか?

カナ:デイケアの支援でIADL(手段的日常生活動作)をどう評価するのですか?教えていただけますか、和田先生。
和田:カナさん、IADLというのは、家の中の掃除や買い物、電話の使用といった、生活の中で少し踏み込んだ動作のことを指しています。デイケアでは、このIADLの状態を評価するとき、まずは利用者さんが実際にどこまで自分でできるかを、専門のスタッフが質問や観察を通じて確認します。例えば、買い物は自分でできるか、薬の管理はどうか、電話をかけることはできるか、などですね。
カナ:その評価はどうやって具体的に行うのですか?点数のようなものがあるのでしょうか?
和田:はい、そうですね。よく使われる評価方法の一つに、「東京IADLスケール」というものがあります。これは8項目あって、それぞれをできる・難しい・できないの3段階で評価します。例えば、買い物で言うと「自分で買い物に行ける」ができる場合は点数が高く、誰かに頼まなければできない場合は低くなります。合計点でいうと最高8点、最低0点で、点数が高いほど自立度が高いことを意味します。
カナ:なるほど。評価することで、その後のリハビリや支援内容はどう変わるのですか?
和田:評価結果によって、どの部分を重点的に支援するかが見えてきます。例えば、買い物や調理が難しい場合は、家事動作の練習をリハビリに取り入れますし、薬の管理が難しい場合には認知機能の回復を目指すトレーニングを行います。具体的なリハビリとしては、認知機能をサポートするために「記憶力を鍛えるゲーム」や「日常の予定を紙に書いて整理する訓練」などがあります。身体機能面では、歩行訓練や手先の細かい動作を改善するための指先の運動なども取り入れます。
カナ:指先の運動や歩行訓練も行うのですね。どんな効果が期待できるのでしょうか?
和田:はい。指先の運動を続けることで、例えばペットボトルのキャップを開ける、自分で服のボタンを留めるなどの細かい作業がしやすくなります。歩行訓練は、1回につき15分ほどの歩行練習を週に3回行い、6か月続けることで、平均して歩行速度が0.1〜0.15メートル毎秒速くなり、転倒リスクの軽減に繋がっています。これらの機能改善は、結果として自宅での生活がしやすくなり、IADL点数の向上にもつながるのです。
カナ:そのリハビリは利用者さんが継続して行えるものですか?疲れてしまう方もいると思うのですが。
和田:無理なく続けられるよう、個々の体力や状態に合わせてメニューを調整しています。最初は5分程度の簡単な運動から始めて、その方が少しずつ慣れていくペースです。デイケアではリハビリの様子を細かく見ているため、疲れが強いと感じたらすぐに内容を変えたり休憩を挟むことができます。日々のモニタリングで負担をかけすぎないよう配慮しつつ、生活能力が向上するように支援しています。
カナ:ありがとうございます。先生の説明で、IADLの評価が利用者さんに合わせたリハビリの計画作りにとても役立つということがよく理解できました。もし祖母のIADLの評価結果が悪かった場合は、どのくらいの期間で改善が期待できるのでしょうか?
和田:カナさん、改善の目安は利用者さんの状態によりますが、一般的には3か月から半年間、週2〜3回のリハビリを続けることで、IADL評価が10〜20%程度向上することが多いです。たとえば買い物や掃除が今は難しくても、ケアスタッフのサポートを受けながら自信を取り戻し、徐々に一部動作を自分でできるようになるケースがあります。もちろん、継続性が大事なので、ご家族の協力も重要です。
カナ:わかりました。祖母の状態をしっかり把握して、適切なリハビリ計画を立ててもらうことが大切ですね。本当にありがとうございました。

IADL(手段的日常生活動作)を向上させるためのデイケアでの具体的なリハビリは?

カナ: IADL(手段的日常生活動作)を向上させるためのデイケアでの具体的なリハビリはどのようなものがありますか?
和田: カナさん、IADLとは、買い物や料理、電話の操作など、日常の生活を自立して行うための動作のことですね。デイケアでは、ご本人の体力や認知機能に応じて、具体的なリハビリを組み立てています。例えば、手や指の細かい動きを良くするための指先運動や、買い物を想定したシミュレーション訓練、時計の読み方や電話の使い方など認知面の訓練も行います。一日に約40分〜60分のリハビリを週に2〜3回行い、3ヶ月後にはIADL得点が5ポイント程度改善する目標を設定することが多いです。これにより、おばあさまが買い物や薬の管理など日々の生活がより自立してできるようになります。
カナ: 具体的な訓練の内容をもう少し詳しく教えていただけますか?例えば指先の運動や買い物のシミュレーションって実際にはどんなことをやるのでしょうか?
和田: そうですね、指先の運動では、小さなボタンのはめ外しやビー玉を箸でつかむ練習、細かい紙を折る作業などを行います。これらは指の動きや筋力、感覚を刺激し、手先の器用さを高めます。買い物のシミュレーションでは、実際のスーパーで使うようなチラシや商品カタログを使い、必要な物を選ぶ練習をします。金額の計算やリストからの確認も含み、計算力や記憶力、注意力のリハビリにもなります。こうしたトレーニングを続けることで、認知機能検査の一つである「時計描画テスト」の点数が改善したり、IADL評価である「法定代理評価」で具体的な動作の自立度が上がることを期待します。
カナ: なるほど、認知機能のリハビリも含まれているのですね。そうした訓練はおばあさんの場合、例えばどのくらいの期間続けるとどんな効果が現れやすいんでしょうか?
和田: 個人差はありますが、多くの場合、週2〜3回のリハビリを3ヶ月ほど継続すると、IADLスコアが平均して4〜6ポイント改善されることが報告されています。例えば、買い物や薬の管理が以前よりも自分でできるようになったり、電話や公共交通機関の利用に対する不安が減るなど、実生活での自立度がかなりアップします。継続して半年から1年行くことで、転倒リスクの低下や認知症の進行を遅らせる効果も期待でき、生活の質の向上につながります。
カナ: リハビリの結果を分かりやすく知るにはどんな指標を見ればいいのでしょうか?数値で教えてもらえると助かります。
和田: いい質問ですね。一般的にIADLの評価は「東京IADL尺度」や「東北IADL尺度」などがあり、20〜30点満点の中で点数が上がると生活動作が自立している証拠です。例えばおばあさまの初期スコアが15点だとすると、3ヶ月後に20点以上に上がると自立度が向上したとみなせます。また、認知機能の進歩を測る「MMSE(ミニメンタルステート検査)」は30点満点で、25点未満の場合は軽度認知障害が疑われます。この点数がリハビリ開始前より1〜2点でも上がれば、機能維持や改善の兆候と考えられます。こうした数値を定期的に専門職が評価し、家族にも状況を報告しています。
カナ: お話を聞いて、おばあさんには専門的なリハビリが必要だと思いました。最後に、こうしたリハビリを自宅でもサポートしたい場合、どんなことを気をつければいいでしょうか?
和田: ご家庭でのサポートは大変重要です。おばあさまがリハビリでやっている内容を少しずつでも日常生活に取り入れることがポイントです。例えば、買い物のチェックリストを一緒に作る、簡単な計算や記憶のゲームを取り入れてみる、指先運動としてお茶碗の洗い物や布団のたたみ作業を手伝う形で行うなどです。ただし、無理に負担をかけないよう、楽しめる範囲で続けることが大切。専門スタッフが作成した「日々の課題シート」なども活用して、進捗を見守りながら声かけをしていただくとよいですよ。

どのような利用者がデイケアでIADL(手段的日常生活動作)の支援対象になりますか?

カナ:デイケアでIADLの支援対象となる利用者は、具体的にどのような方たちでしょうか?教えていただけますか。
和田:カナさん、良い質問ですね。まずIADLとは、手段的日常生活動作と言って、買い物や料理、掃除、電話の利用など、一人暮らしに必要な少し複雑な日常の動作のことを指します。デイケアでは、これらの動作に困りごとが出てきた方が支援対象になります。たとえば、一人で買い物に行くのが難しくなったり、料理の準備に時間がかかりすぎたりといったケースです。
カナ:なるほど。では、単に身体が少し不自由な方ではなく、認知面も影響している人が対象になるのでしょうか?
和田:その通りです。特に認知症の初期段階の方は、記憶力や判断力の低下でIADLに支障をきたすことがあります。例えば、薬の管理がうまくいかなくなったり、複数の手順が必要な調理を忘れてしまうといった場面です。デイケアではリハビリを通じて、こうした機能を少しずつ回復させたり、補助的な動作の習得を支援しています。
カナ:リハビリについてもう少し詳しく教えてもらえますか?たとえば、どんなリハビリメニューを行い、どのように効果を実感できるのでしょう。
和田:はい。デイケアでは、例えば歩行訓練や手指の巧緻性訓練、認知機能を高めるための記憶トレーニングがあります。歩行訓練では、平らな場所だけでなく階段や段差も含めて練習し、歩行速度を上げることを目指します。歩行速度は日常での自立度を示す重要な指標で、通常1分間に80m未満だと転倒リスクが高まりますので、90m以上を目指すことが多いですね。
手指の訓練では、紐通しやパズルなどで細かな指の動きを約30分行い、物をつかむ力や細かな動作の円滑化を図ります。こうした訓練により、料理や掃除などの複雑な動作がしやすくなります。
また認知機能のトレーニングは、週に2回程度、ゲーム感覚の課題を行い、記憶力や注意力を測定しています。モノ忘れの頻度や間違いの数が減るなどの効果が、3か月程度続けると数値で見えてきますよ。
カナ:具体的な数字で効果がわかると安心します。リハビリを続けると、生活のどんな部分が改善されるのでしょうか。
和田:継続することで、例えば買い物での計画的な行動ができるようになったり、薬の服用忘れが減ったりします。つまり、自立して生活する時間が増え、介護の負担も軽減されるということです。 また身体的には転倒リスクが減るので入院や寝たきり状態になる可能性を下げることも期待できます。具体的には、転倒リスクが高い方で1年間の転倒回数が2回以下になるケースもあります。
カナ:わかりました。では、IADLに少し支障を感じるけれど、まだ部分的に自立している祖母もデイケアの対象になるのでしょうか?
和田:はい、まさにそういう方がデイケアの主要な利用者です。まだ完全な介助が必要ではないけれど、自力での調理や買い物に時間がかかったり疲れやすかったりする場合、リハビリを続けることで状態の悪化を防げます。軽度から中等度のIADL障害の方に向けた支援が中心なので、祖母様も適切なプログラムを組めると思いますよ。
カナ:ありがとうございます。具体的な例と数字がとても参考になりました。もう少し家族ができる支援についても教えていただけますか?
和田:もちろんです。家族の方は、例えば服薬管理のチェックを一緒に行ったり、リハビリの進捗状況を共有すると良いでしょう。また、買い物や食事の準備で無理がないか観察し、適宜サポートすることが大切です。家族と専門職が連携することで、祖母様の生活の質がより高まりますので、遠慮せずご相談ください。

デイケアでIADL(手段的日常生活動作)の支援を受けるメリットは何ですか?

カナ:デイケアでIADLの支援を受けるメリットについて教えていただけますか。
和田:カナさん、IADLというのは「手段的日常生活動作」と言いまして、買い物や料理、薬の管理、電話の使用など、日常生活をより自立して送るための活動のことです。デイケアではこうした活動の支援やリハビリを専門的に行っています。例えば、料理の調理動作を練習したり、買い物に行く際の道順や金銭管理を一緒に確認したりします。これによって、祖母様が自宅でより安心して生活できる期間を伸ばすことが期待できます。
カナ:具体的にどのようなリハビリメニューがあるのでしょうか?
和田:はい。デイケアで取り入れているリハビリには、身体機能を高める運動療法、認知機能を促進する脳トレ、そして生活動作の練習があります。身体のリハビリとしては、筋力トレーニングや歩行訓練を週に2〜3回行い、筋力計測では平均10〜15%の改善が見られることもあります。認知機能の回復を目指すため、記憶力を鍛えるゲームや計算練習、パズルを使った訓練も取り入れています。これにより、MMSE(認知機能テスト)で2〜3点の向上が見込まれる場合もあります。生活動作の練習では、実際に台所で調理を行う訓練や、買物に同行して金銭のやり取りの練習をします。これらにより、IADL評価スケールで5〜10点程度の改善例もあります。
カナ:点数での説明は非常に助かります。もし継続してリハビリを行えば、具体的に祖母の生活はどう変わっていきますか?
和田:継続したリハビリにより、身体機能が向上すれば移動や立ち上がりが楽になり、転倒リスクが減少します。認知機能の改善は「何を買うか」「薬を飲む時間」など日常的な判断力が上がり、生活の質がずっと良くなります。IADL機能が向上すると、例えば外出回数が週に2回増えたり、自分で買い物をして食事の準備ができたりするようになります。そういった変化は身体的・精神的な自立度を高め、ご家族の負担も減らす効果も期待できます。
カナ:買い物の練習をする際、具体的にどんなサポートがあるのか教えてください。
和田:デイケアではスタッフが同行したり、一緒に買い物リストを作成したりします。例えば、「野菜を3種類買う」「合計金額は1000円まで」といった目標を設定し、予算内での選択や計算練習を繰り返します。金銭管理が難しい場合は、実際の小銭や札で支払い練習もします。この繰り返しで、家に戻った後も買い物に行く自信につながり、もし一人で外出したとしても道に迷いにくくなるように何度も道順を確認します。こうした支援により半年〜1年程度で、自分で地域のスーパーに買い物に行けるようになる方も多くいらっしゃいますよ。
カナ:家でのフォローアップはありますか?
和田:デイケアでは定期的にご家族への報告や、必要に応じて介護スタッフと連携してフォローを行います。例えば、家での調理が不安な場合は簡単なメニューを推奨したり、外出時の同行をお願いしたりします。評価を1ヶ月ごとに行い、機能の向上や不安な部分を見極めながら計画の修正も行いますので安心してください。
カナ:わかりました。IADLの支援は祖母の生活の自立と安心につながることがよく理解できました。ありがとうございました。
和田:どういたしまして。ご不明点があればいつでもお尋ねください。祖母様が少しでも快適に過ごせるよう、私たちスタッフも全力でサポートしていきます。

IADL(手段的日常生活動作)にはどんな日常活動が含まれていますか?

カナ: IADL(手段的日常生活動作)にはどんな日常活動が含まれていますか?
和田: カナさん、良い質問ですね。IADLは「Instrumental Activities of Daily Living(手段的日常生活動作)」の略で、もう少し具体的に言うと、日常生活の中で自立して生活するために必要な、ちょっと複雑な活動のことです。例えば、買い物、料理、洗濯、掃除、電話の使用、お金の管理、薬の管理などが含まれます。つまり、食事をする、服を着るといった基本的な身の回りの世話よりも、生活の質を保つために必要な動作ですね。ご祖母様がどの程度これらを自分でできるかが、ご自宅での生活を続ける上で重要なポイントになります。
カナ: 買い物や料理といった活動もIADLに含まれるんですね。では、これらの活動が難しくなると、具体的にどんな問題が出てくるのでしょうか?
和田: そうですね、たとえば買い物が難しくなると必要な食材や日用品を揃えられず、食生活が偏ったり、生活環境が整わなくなったりします。料理が難しいと栄養バランスの偏りや外食や惣菜に頼りがちになることもあります。また、薬の管理が適切にできないと、病気のコントロールが乱れやすくなります。これらは健康状態の悪化や、介護の負担増加につながりやすいです。ですから、デイケアではこれらのIADLを支援するためのリハビリがとても大切になってきます。
カナ: IADLを支援するリハビリとは具体的にどんなことを行うのでしょう?例えば料理や掃除ができるようにするためのリハビリを教えてください。
和田: 具体的には、料理や掃除の動作を安全かつ効率的に行うための筋力訓練や動作訓練から始めます。たとえば、手指の細かい動きを改善するための指の体操や、長時間立って作業するための下肢の筋力トレーニングですね。デイケアのリハビリでは、理学療法士や作業療法士が患者さんの生活環境に即した練習をします。例えば「握力を20キロまで回復させる」ことを目標にし、測定器で経過を追いながらトレーニングを行います。また認知機能が低下している場合は、薬の管理や料理の手順を記憶しやすくする認知リハビリも組み合わせます。こういったリハビリを週に2〜3回、3ヶ月続けた結果、独立して料理を作れる方も多いですよ。
カナ: なるほど、筋力と認知面の両方を鍛えるんですね。リハビリを続けることで、具体的にどのように生活が改善するのか教えていただけますか?
和田: はい、例えば握力が強くなることで、包丁やお鍋の重さを支えやすくなり、調理中の事故予防にもつながります。下肢の筋力が向上すると、長時間立てるようになり、掃除や台所仕事が楽になります。認知機能が改善すれば、料理の手順を忘れにくくなり、安全に作業を進められます。これにより、家事の自立度が向上し、介護の負担も軽減されます。評価指標としては、FIM(機能的自立度評価)やMMSE(認知機能検査)などのスコアが改善しやすく、数値で回復の度合いを確認できるんです。
カナ: FIMやMMSEというのは初めて聞きました。もう少し詳しく教えてもらえますか?具体的な数値の例もあると助かります。
和田: もちろんです。FIMは「Functional Independence Measure」の略で、日常生活行動の自立度を0〜126点で評価します。たとえば、料理や掃除などのIADLに影響する動作は、食事や整容、移動といった項目に分かれています。自宅でほぼ自立している方は100点以上の方が多いですね。自分で何かしらの援助がいると、70点〜90点といった具合に点数が下がります。デイケアのリハビリを3ヶ月継続でFIMが10点〜20点程度上がるケースもあります。
MMSEは「Mini Mental State Examination」の略で、認知機能を0〜30点で点数化します。26点以上が正常範囲で、20点未満だと認知機能低下の可能性が高いとされます。例えばリハビリ開始時に20点だった方が24点まで回復し、日常の判断力や記憶力が改善する例もあります。これらの検査で数値の改善が見られれば、ご祖母様の生活の質も明らかに向上していると考えられます。
カナ: とても具体的でイメージが湧きました。最後に、こうしたリハビリや支援がご祖母の全体の生活にどのように良い影響を与えるのか教えてください。
和田: リハビリを続けて身体機能や認知機能が向上すると、自宅での生活が安全かつ快適になります。自分で動ける範囲が広がれば、外出や趣味の活動も増え、心身の健康維持につながります。社会的な交流も生まれやすくなり、認知症の進行も遅らせることが期待できます。また、ご家族の負担も軽くなり、ご祖母様の精神的な安定にもつながります。つまり、単に日常動作ができるようになるだけでなく、生活の質全体がアップし、より豊かな毎日を過ごせるということですね。デイケアはまさにそのための場所と考えていただければと思います。

デイケアでのIADL(手段的日常生活動作)支援で家族はどのように関わるべきですか?

カナ:デイケアのIADL支援について教えていただきたいのですが、家族としてどのように関わればいいのでしょうか。
和田:カナさん、IADLというのは「手段的日常生活動作」と呼ばれ、例えば買い物や料理、電話の操作など、少し応用的な生活の動きを指します。家族の関わり方としては、利用者さんが実際にこれらの動作をできるように、応援しつつも、全部やってあげないで見守ることが大切です。たとえば買い物の練習をするときは、最初は一緒に行ってもらい、少しずつ一人でできる部分を増やしていきます。
カナ:なるほど。具体的にどのようなリハビリメニューがあるのでしょうか?そして、それによってどのように改善が見られるのでしょうか。
和田:デイケアでのリハビリは、医師の指示の下で理学療法士や作業療法士が担当します。具体的には、歩行の練習やバランス訓練、手の細かい動きを鍛える作業練習、認知機能のトレーニングなどが中心です。例えば、歩行訓練では平地や坂道の歩行練習を30分程度行います。これにより歩行速度が平均で約0.1m/秒向上し、生活範囲が広がることが期待されます。また、手の作業練習では、ボタンの開け閉めや料理の一部工程を練習し、能力評価の一つである「機能的自立度評価(FIM)」のIADL領域で数ポイント改善が見られることもあります。
カナ:そのようなリハビリが家でも続けられるとよいですが、家族はどんな形で手助けできますか?
和田:家族の皆さんができるのは、施設でのリハビリを見守るだけでなく、家でも簡単な動作練習を促すことです。たとえば、買い物のメモを一緒に作ってもらったり、料理の下ごしらえを一緒にしたりと、生活の中で少しずつ練習の機会を増やしていただくことが効果的です。これを継続することで、例えば一人での買い物時間が15分から30分に延びたり、手指の動きがよりスムーズになることで日常生活の自立度が上がることも期待されます。
カナ:なるほど、家でも少しずつ練習を続けていくことが大切なんですね。ところで、認知機能のトレーニングもあるとのことですが、具体的にはどんな内容でしょうか?
和田:認知機能のリハビリは、記憶力や注意力、判断力を鍛えるもので、例えばパズルや計算問題、言葉のゲームなどを行います。週に2~3回、1回あたり20~30分程度を目安に取り組んでいます。こうしたトレーニングにより、「認知症評価スケール」で数ポイントの改善がみられることが多く、これは日常生活の意思決定や会話のやりとりがスムーズになることに繋がります。
カナ:家族として、もし祖母がリハビリを嫌がったりするときはどうしたらいいでしょうか?
和田:その場合は無理強いはせず、まずは楽しいと感じられる活動から始めることがポイントです。たとえば好きな音楽に合わせて簡単な体操をしたり、得意な手作業を通じて自然に動かす時間を作ったり。焦らず少しずつ楽しい習慣を作ることで、リハビリへの抵抗感が減りやすくなります。ご家族も笑顔で接して、肯定的な声掛けを心がけてください。

将来的にIADL(手段的日常生活動作)の維持ができない場合、デイケアでどんな対応が行われますか?

カナ:将来的に祖母がIADL、つまり手段的日常生活動作が難しくなった場合、デイケアではどのような対応がされますか?
和田:カナさん、良い質問ですね。IADLとは買い物や料理、薬の管理のような日常生活で少し複雑な動作のことです。祖母様がこれらの動作に困るようになると、デイケアではまず「通所リハビリテーション」、つまり専門的なリハビリを医師の指示のもと行います。具体的には、歩行訓練や手指の動きを良くする運動、さらには認知機能を維持するための頭の体操もあります。
カナ:歩行訓練や手指の運動は具体的にどんな内容でしょう?また効果はどのくらい期待できるのでしょうか?
和田:例えば、歩行訓練は平坦な場所での歩行練習やステップ台を使った昇降訓練があり、1回30分程度、週3回のペースで実施します。これを3ヶ月続けると、多くの利用者さんの10メートル歩行速度が平均で約0.1m/秒向上すると報告されています。速度が上がることで転倒リスクが減り、外出がしやすくなります。また、手指の運動では、豆やビーズを摘まむ練習や指の体操を午前中に15分間行います。これにより握力が平均で5~10%改善し、薬の開梱やボタンの操作がしやすくなる効果があります。
カナ:なるほど。認知機能のための頭の体操についても教えていただけますか?
和田:はい。頭の体操は簡単な数独やクロスワード、計算問題などをスタッフと一緒に行い、1回20分程度で週2回のペースです。こうした訓練により、認知機能評価の一つである「MMSE(Mini-Mental State Examination)」の得点が平均で1~2点向上することがあります。認知機能が改善すると、薬の管理や予定を覚えることが楽になり、日常生活の自立度が高まります。
カナ:リハビリの効果を数値で教えていただくと分かりやすいですね。では、デイケアでどのような支援が祖母の日常生活の質を保つために行われるのでしょうか?
和田:デイケアの特徴は、リハビリだけでなく、日常生活のサポートと楽しい交流、レクリエーションが組み合わされている点です。例えば、料理教室や園芸活動、軽い運動プログラムが週に数回あり、これらは身体的な機能維持に加えて、精神的な面での刺激となり、うつ状態や孤独感の予防につながります。こういった活動を通して、利用者の生活の質(QOL)が明らかに向上しているという報告もあります。
カナ:精神面でのサポートもデイケアの大切な役割なんですね。万一、祖母のIADLがさらに低下した場合、介護レベルに応じてデイケアではどんな対応がされますか?
和田:今後IADLの低下が進むと、例えば移動に介助が必要になったり、物の管理が難しくなるケースがあります。その場合、デイケアでは介助スタッフが必要に応じて食事や排泄の介助を行い、身体機能の維持や改善に向けてのリハビリも続けます。また、医師やケアマネジャーと連携し、介護保険の利用プランを見直して、夜間の訪問介護やショートステイなどのサービスも併用できるよう調整します。こうしたトータルな支援で利用者様の状態に応じた最善のケアを提供しています。
カナ:ありがとうございます。最後に、祖母がリハビリを続けていく上で、私たち家族が日常でできるサポートについて何かアドバイスはありますか?
和田:リハビリの効果を最大限に引き出すために、家族の方が家庭でできる簡単な運動を一緒に行ったり、日常の中で歩く距離を少しずつ増やす声かけをすることが大切です。例えば、毎日5分程度の散歩から始めて、徐々に10分、15分と伸ばしていくなどです。また、認知機能維持には会話を積極的に楽しみ、物忘れがあっても安心できる環境を作ってあげてください。こういった積み重ねがデイケアのリハビリ効果をより良くし、祖母様の自立した生活を支えます。