デイケアの専門用語「言語聴覚士（ST）」を詳しく教えて！

和田:カナさん、言語聴覚士、略してSTは、話す力や聞く力、それに飲み込む力のリハビリを専門にする職種です。例えば、脳卒中のあとに言葉がうまく出なくなったり、嚥下（えんげ＝飲み込み）が難しくなった方を支えます。デイケアでは週に2～3回、15～30分ずつリハビリを受けることが多いですね。

和田:例えば話す力のリハビリでは、言葉を正しく発音するための口の動かし方を練習したり、簡単な会話の訓練をします。飲み込みのリハビリの場合は、食べ物を飲み込む際に使う筋肉を鍛える運動や、飲み込む時の姿勢の指導をします。こうしたリハビリの効果は、嚥下機能評価である「嚥下スコア」や言語機能の検査で数値化され、1～3ヶ月で5～10％程度改善することが期待できます。

和田:継続的に言語聴覚士のリハビリを受けると、例えば嚥下機能が改善すれば誤嚥性肺炎のリスクが減り、おいしく安全に食事が取れるようになります。話す力が回復すれば、家族とのコミュニケーションが増えて孤独感も減るんです。そうした経過は、生活の質を測る「QOL（クオリティ・オブ・ライフ）」の向上に繋がります。

和田:一般的には週2～3回、1回15～30分のリハビリが多いです。期間は個人差がありますが、半年から1年ほど続けることで明確な改善が見られることが多いですね。もちろん、症状や目的によって変わりますが、短期間すぎると効果が出にくいこともあります。

和田:そうですね。例えば理学療法士（PT）は主に身体の動きや筋力のリハビリを担当し、作業療法士（OT）は日常生活動作や趣味活動の支援を行います。STは言葉や食べることの専門家で、その人の「話す・聞く・食べる」機能を改善することに特化しています。ですから、デイケアではそれぞれの専門職が連携しながら、ご本人に合わせた総合的なリハビリを進めていきます。

和田:カナさん、言語聴覚士、略してSTは、言葉や話す力、聞く力、それに飲み込みの力に問題がある方のリハビリを担当します。デイケアでは、例えばおばあさまが会話がうまくできない、言葉が詰まってしまう、食べ物を飲み込む時にむせたり詰まったりする場合に、STが専門的にサポートします。具体的には、お話しをスムーズにできるよう言葉の練習をしたり、飲み込みの筋肉を鍛えるエクササイズを週に2～3回、1回あたり20分ほど行います。こうしたリハビリを続けることで、言語機能の評価指標である「発話の流暢性」が、例えばリハビリ開始前の50点から3か月後に70点まで改善するケースもあります。この改善により、日常のコミュニケーションがよりスムーズになり、食事中の誤嚥（ごえん）のリスクも減ってきます。

和田:良い質問ですね。発話の流暢性は、言語聴覚士が専門の検査を行い、話し方の滑らかさや言葉の詰まり具合を数値化したものです。具体的には、5分間程度会話を録音し、その中の言葉の途切れや詰まる回数を数えます。また、発話の速度や正しい発音の割合も測ります。こうしたデータを総合して0〜100点のスコアで評価します。数字が高いほど、話す力がスムーズであることを意味します。

和田:飲み込みのリハビリには、いくつかの方法があります。例えば、舌や唇を動かす運動、口を閉じたり開けたりする運動、喉の筋肉を鍛える体操などです。具体的には、「舌押し棒体操」という方法で舌を前に押し出したり、口の中で舌を上あごに押し当てる練習をします。また、「嚥下（えんげ）体操」といって喉を上下に動かす動きを強化する運動もおこないます。これらの運動を1回20分、週に2～3回行い、約3か月で嚥下機能を評価する「嚥下反射時間」が短縮され、食べ物や飲み物を飲み込みやすくなるのが期待できます。具体的には嚥下反射時間が初期の2秒から1秒程度に改善される例もあります。

和田:続けることで、まずコミュニケーションが取りやすくなるため、家族や友人との会話が増え、孤独感が減ります。また、飲み込みが良くなると食事が安全になり、誤嚥性肺炎のリスクを大きく減らせますので、健康状態が安定します。さらに、言葉を伝えやすくなると、デイケア内での交流レクリエーションにも積極的に参加でき、精神的な活力が向上します。これらの改善は、例えば日本老年医学会の報告によると、デイケア利用1年後には生活の質（QOL）や自立度が約15％向上するケースも報告されています。

和田:デイケアのリハビリチームには、理学療法士（PT）、作業療法士（OT）もいます。理学療法士は身体の動きを良くするための筋力トレーニングや歩行練習を担当します。例えば歩行速度や筋力の測定を定期的に行い、平均して3か月で歩行速度0.1メートル/秒程度の改善が見られることがあります。作業療法士は手や腕の細かな動きを回復したり、日常生活の動作の練習を担当します。言語聴覚士はその中でも言葉や飲み込みに特化したリハビリをする、とお考えください。カナさんのおばあさまにも必要に応じて多職種のサポートが受けられますよ。

和田:カナさん、言語聴覚士、略してSTは、話すことや聞くこと、飲み込むことに関して困っている方をサポートする専門家です。具体的には、脳梗塞や認知症で言葉がうまく出てこないとか、食事の時にむせやすくなった方が対象になります。例えば発音の練習や、食べ物を飲み込む時の筋肉の動きを鍛えるリハビリを行います。これは嚥下（えんげ）訓練といって、食事中のむせ込みを減らす効果があります。

和田:嚥下訓練では、まず舌や喉の筋肉のストレッチや強化体操をします。例えば、舌を上下左右に動かしたり、のどの奥の筋肉を意識して収縮させる運動です。これは食べ物を飲み込む筋肉を鍛えることで、嚥下の安全性を高めます。指導のもと週に2～3回のリハビリを3カ月続けると、誤嚥（ごえん＝食べ物や唾液が気管に入ること）による肺炎リスクが約30％減少する研究もあります。そうすると食事の時間が楽になり、栄養状態の改善にもつながっていきます。

和田:言葉のリハビリは「失語症」を対象とすることが多いです。失語症とは、言いたいことがうまく伝えられなかったり、相手の言葉が理解しづらくなる状態です。STは言葉の理解や発語の練習をします。具体的には、単語カードを使って言葉を見てから発音したり、簡単な会話練習、小さい文章を作る訓練です。これを週に2～3回行い、約6カ月続けると、発語の回数や正確さが40％ほど改善するデータもあります。これにより、祖母が家族と日常会話を楽しめる時間が増えていきます。

和田:デイケアの場合、1回のリハビリ時間は30分から1時間が多いですね。STが個別に計画を立て、祖母の体力や状態に合わせて、話す練習や飲み込みの訓練を同じ日に分けて行うこともあります。それを週に2～3回程度続けることで効果が期待できます。無理せず続けられることが重要なので、施設でも負担がない範囲で進めています。

和田:デイケアでは理学療法士や作業療法士、看護師、介護スタッフもチームで利用者さんの生活支援にあたっています。例えば理学療法士は歩行の補助や筋力強化に集中し、作業療法士は日常生活動作の回復に関わります。言語聴覚士はこの中でコミュニケーションや嚥下の専門家として、食事の安全や会話能力の改善に専念しているイメージです。チーム内で連絡を取り合いながら、祖母の状態に一番合ったリハビリメニューを組み立てています。

和田:そのお気持ちがなにより大切ですよ。今後も気になることがあれば何でも聞いてくださいね。カナさんのご理解が進むことで、祖母さんにとって最適なケアを提供しやすくなりますから。

和田:カナさん、言語聴覚士、略してSTは、言葉や飲み込みの機能を改善するリハビリを担当しています。例えば、言葉が出にくい場合は、発音の練習や理解力を高めるトレーニングを行います。飲み込みが難しい方には安全に食べられるよう、口の筋肉を鍛えたり、飲み込む動作の練習をしたりします。具体的な頻度としては1回30分のセッションを週2～3回、3カ月ほど継続するケースが多いですね。

和田:例えば言葉の理解力は「コミュニケーション評価尺度」というものを使って測ります。初めは50点くらいだった方が、3カ月後には70～80点まで上がることもあります。飲み込みでは「嚥下機能評価」で、例えば、むせる回数が減ったり、飲み込み速度が改善して安全に食事が取れるようになるんです。これにより、誤嚥性肺炎のリスクが大幅に減りますので、健康維持にとても役立ちます。

和田:続けることで、言葉の不自由さが減り、会話がスムーズになります。これによって、本人だけでなく周囲のご家族とのコミュニケーションも改善されるんです。飲み込み機能のリハビリが進むと、自分で食事が安全にできるようになり、食事の楽しみが戻ってきます。結果として、食事量が増えて栄養状態も良くなり、体力維持にもつながります。生活の質がぐっとアップすると考えてください。

和田:もちろん、個別の状態でメニューは変わります。例えば、祖母さまが言葉が出にくい場合は、まず簡単な単語や短い文章を使った発声練習や理解力アップのトレーニングを行います。飲み込みに不安があれば、口周りの筋肉を動かす体操や安全な飲み込み動作の反復練習が中心です。さらに、食事の形態を調整して安全に食べられるよう検討します。定期的な評価を元に進めていきますので、改善が見込める点を細かくチェックしながら進行します。

和田:はい、例えば言葉のリハビリであれば、口をしっかり開けたり閉じたりする練習、唇や舌を意識的に動かす運動、また、簡単な単語を繰り返し発音して発音の正確さを高めるトレーニングがあります。飲み込みでは、小さな氷片を口に含んで溶かすことで唾液の分泌や口の中の感覚を高めたり、首や喉の筋肉をゆっくり動かして飲み込みやすくする運動をします。これらを繰り返すことで、口の動きが滑らかになり、食べ物や言葉が出しやすくなるわけです。

和田:一般的には2～3週間ほどで、言葉の滑らかさや飲み込みの安全性に変化が見え始めます。ただし、本当の意味での回復は3カ月以上の継続が必要です。例えば、誤嚥の回数が減ったり、コミュニケーションがしやすくなっているのが評価指標になります。リハビリの記録をもとに、経過を確認しながらプランを調整しますので、短期間で無理せずに進めるのが大事です。

和田:そのお気持ちがとても大切です。何かまた疑問がありましたら、気軽に聞いてくださいね。カナさんと祖母さまにとって良いサポートができるよう努めます。

和田:カナさん、良い質問です。言語聴覚士、略してSTは主に「言葉」や「食べる」機能に関わるリハビリを担当します。例えば、言葉がうまく話せなくなったり、飲み込みが難しい方に対して訓練を行います。一方で、理学療法士（PT）は主に歩行や筋力向上のリハビリを、作業療法士（OT）は日常生活の動作や手先の動きを改善する訓練を担当します。違いを簡単に言うと、「STは口やコミュニケーション」「PTは体の動き」「OTは生活の動き」に特化している、という感じですね。

和田:はい。飲み込みの問題、医学的には嚥下障害というんですが、STはまず嚥下機能の評価を行います。例えば、食べ物を飲み込む速さや安全性をチェックします。その後、例えば「舌や口の筋肉を動かす運動」を毎日5分程度、10〜15回繰り返す訓練を行います。また、食べ物の形状を変えて、飲み込みやすく工夫します。1ヶ月続けると安全に飲み込める確率が約20〜30％改善するケースもあります。安全に食事ができるようになると誤嚥性肺炎のリスクが減り、日常生活の質も大きく向上します。

和田:例えばPTは歩行訓練や筋力強化を行います。1週間に3回、1回30分の筋力トレーニングと歩行訓練を約3ヶ月続けると、歩行速度が平均0.1m/s向上し、転倒リスクが約15％改善するとされています。OTは食事の際の手元の動作や着替えの動作を細かく訓練します。例えば指先の握力を高める運動を行い、着替えにかかる時間が30分から20分に短縮されることもあります。これによって、自立度が増し、本人の自信や満足感も高まります。

和田:そうですね。例えば脳梗塞などで言葉がはっきりしなくなった方には「発音練習」をします。具体的には「あいうえお」などの基本音を繰り返し正しく発音する訓練や、会話のシミュレーションを行います。1日10分、週3回の訓練で3ヶ月続けると、発話の明瞭さが30％改善することもあります。これにより家族や周囲との意思疎通がスムーズになり、社会参加が増えます。

和田:はい、デイケアでは言語聴覚士、理学療法士、作業療法士がチームを組みます。例えば、STが嚥下機能の評価で問題を見つけた場合、PTに姿勢の調整を相談したり、OTに食事環境の工夫を依頼したりします。定期的に情報交換し、週1回のチームミーティングで進捗や課題を共有します。これにより、利用者一人ひとりに最適なリハビリ計画が立てられ、効果的に生活の質が向上します。

和田:祖母様の状況によりますが、例えば認知機能低下や言葉の不自由がみられる場合はSTが中心になります。体の動きに課題があるならPT、日常生活の動作で困っているならOTが主に関わります。ただ、実際は複数の専門職が連携することが多いので、初回の評価で必要なリハビリを組み合わせていきますよ。

和田: カナさん、言語聴覚士の評価は、話す力や飲み込みの力、聞く力などを細かくチェックするところから始まります。たとえば、「言語能力検査」という検査では、話すスピードや正確さを数値化します。普通の方は1分間におよそ100語話せますが、言語障害がある方は40～60語になることもあります。これを基に、どの部分が弱いかを判断しています。

和田: 飲み込みの検査は「嚥下内視鏡検査」や「嚥下造影検査」という方法がありますが、デイケアでは簡易的な「嚥下機能評価」を使うことが多いです。例えば、水を飲んだ時にむせるかどうか、誤って気管に入るリスクがないかをチェックします。むせる回数が多いと、嚥下機能の低下を示し、誤嚥性肺炎の危険があるため注意が必要です。

和田: 良い質問です。言語のリハビリでは、例えば発音練習を1日30分、週3回行うことで、話す速度が3ヶ月で平均20％アップしたという研究もあります。嚥下リハビリは、首や口周りの筋肉を鍛える体操や、飲み込むタイミングを意識する練習が中心。これを続けると、飲み込みの安全性が上がり、食事の時の誤嚥が減り、肺炎リスクも下がります。

和田: はい。言語聴覚士はまず、発音や文章作成のトレーニングを行います。例えば、「会話練習」では、日常会話の場面を想定し、分かりやすく話せるように支援します。また、嚥下リハビリでは、「口腔筋肉体操」と呼ばれる、舌を上下左右に動かす運動や、唾液を飲み込むタイミングを練習します。さらに、食事の姿勢を調整することや、食べ物の固さを変えて安全に食べられるようにサポートすることも含まれます。これを3ヶ月続けると、摂食機能評価スケール（食べ物を安全に飲み込めるかどうかの基準）で10ポイント中6以下の方も、7〜8まで改善することが期待されます。

和田: 例えば、発音や会話力が上がると、ご家族や他の利用者とのコミュニケーションがスムーズになり、その結果、人との交流が増えて気持ちも明るくなります。嚥下機能が改善すると、食事中のむせや誤嚥が減り、食事の時間が楽しくなります。これにより、体重の維持や栄養状態も良くなって、全体的な健康状態が安定します。こうした改善は、生活の質そのものを大きく引き上げるのです。

和田: 通常、デイケアでの言語聴覚士によるリハビリは、週に1～2回、1回あたり30分から1時間程度です。期間については、利用者の状態によりますが、症状が安定していれば3ヶ月程度で効果が現れることが多いです。ただし、言語や嚥下機能が重症の場合は、6ヶ月以上の継続が推奨されることもあります。継続することで、日常生活に必要な話す力や飲み込み力をしっかり維持・改善できます。

和田:カナさん、良い質問ですね。デイケアでの言語聴覚士の支援対象は、特に年齢制限はなく、主に65歳以上の高齢者が多いです。ですが、場合によっては60歳前後で脳卒中後の方や言語障害、嚥下障害のある方も対象になります。

和田:もちろんです。例えば、言語聴覚士は“言語機能”や“摂食・嚥下機能”の改善を目的とした訓練を行います。言葉がうまく話せない方には発声練習や単語の認識訓練を行い、摂食・嚥下障害がある方には安全に食べられるよう口の動かし方を練習します。具体的なメニューとしては口周りの筋力トレーニングや、音読、簡単な会話練習、嚥下訓練では水やとろみをつけた飲み物を使った訓練もあります。

和田:はい。例えば発声訓練の場合、週2〜3回、1回30分の訓練を3ヶ月続けることで、発話明瞭度が30％から60％に改善するケースもあります。摂食・嚥下機能の練習を継続すると、嚥下反射が早くなり、誤嚥性肺炎のリスクを約20％下げることが報告されています。日常生活では、食事の際にむせる回数が減り、本人も家族も安心して食事ができるようになります。

和田:言語聴覚士の支援は通所リハだけでなく、入院中や訪問リハビリの場でも受けられます。ただ、デイケアは週に数回通いながらリハビリを続けられるのが特徴です。施設では機器を使った訓練や集団での交流もできるので、社会参加の面でも良い効果があります。

和田:まず主治医の診断書が必要になります。医師がデイケア（通所リハ）の必要性を判断してリハビリ計画を立てます。次に介護保険の申請をして要介護認定を受け、その結果に基づいてケアマネージャーが利用プランを作成します。これに沿って、言語聴覚士を含む専門スタッフが個別リハビリを提供します。手続きは市区町村の窓口やケアマネージャーに相談しながら進めるのがスムーズです。

和田:カナさん、言語聴覚士のリハビリは主に「話す」「聞く」「食べる」能力の回復を目指します。具体的には、例えば言葉がうまく出ない失語症の方には、言語理解や発声練習を行います。1回30分のセッションを週に2～3回で、3ヶ月経過すると、言葉の正確度や会話量が平均で20～30％改善すると報告されています。これにより、日常会話がスムーズになり、家族とのコミュニケーションが楽になりますよ。

和田:例えば、失語症の場合は「名前を呼んで答える練習」「簡単な文章を作る訓練」「理解力をたかめるための聞き取り練習」などがあります。構音障害の方には、舌や唇の動きを良くする口の体操も行います。食べることが難しい嚥下障害がある場合は、「舌や喉の筋肉を鍛える運動」や「飲み込みのタイミングを合わせる練習」もします。こうした訓練を続けることで、誤嚥（ごえん）リスクを30%ほど減らせるデータもあります。

和田:リハビリを継続すると、自分で話して意思を伝えられるようになり、孤立感が減ります。また、嚥下が改善すると、むせることが減り、食事が楽しく安全になります。結果として、肺炎のリスクが下がり、病院への入院期間も短くなる傾向があります。さらに、コミュニケーションが豊かになると、精神的な安定にもつながりますから、QOL（生活の質）が大きく向上すると言えます。

和田:一般的には、最低3ヶ月間、週に2～3回の通所リハビリを行うケースが多いですね。その期間で少しずつ回復を実感される方が多いです。もちろん、個人差がありますが、長く続けるほど効果が安定します。途中で止めてしまうと、せっかくの回復が停滞したり後退する場合もあるため、可能な限り継続されることをお勧めします。

和田:はい、言語機能の場合は「ウェスタン失語症検査」という言葉の理解力や発話力を数値化するテストを使います。また、嚥下機能は「嚥下内視鏡検査」や「嚥下造影検査」で安全性や飲み込みの正確さを評価します。これらの結果をもとにリハビリの進捗を数字で示せるので、ご家族も状態が把握しやすいですよ。

和田:とても良い質問ですね。家族の方には、リハビリで習った言葉の練習や口の体操を一緒にやってもらうことが大切です。また、日常会話でできるだけ話す機会を増やすことも効果的です。食事の際は安全な姿勢でゆっくり食べられるよう見守ること、嚥下に不安があれば我慢せず報告することも重要です。温かい環境が回復を後押ししますので、ご家族が前向きに関わることが一番の力になりますよ。

和田:カナさん、言語聴覚士が使う機器は主にコミュニケーション訓練や認知機能の回復をサポートするものが多いです。例えば、発声や口の動きを調整するための口腔顔面筋のトレーニング器具があります。また、言葉の理解や記憶を評価し改善するために「認知機能訓練ソフト」を用いることもあります。これにより、利用者さんは言葉の出しやすさが約10％改善されるケースもあります。

和田:具体的には、記憶力や注意力、言葉の理解力を測定しながらゲーム感覚で訓練できるソフトです。例えば、数字や言葉の並び替え、間違い探し、短い文章の理解問題などが含まれています。これらの訓練を週2回、30分ずつ3ヶ月続けると、言語理解力テストの正答率が15～20％上がることが報告されています。こうした数字の向上が、日常会話でのコミュニケーションの質の改善に繋がるんです。

和田:はい、発音や嚥下（えんげ：食べ物を飲み込む動作）のリハビリもあります。例えば「嚥下訓練器具」というもので、飲み込みの筋肉を鍛えることができ、嚥下困難の改善に役立ちます。具体的には、舌の動きや喉の筋肉を強化する運動を15分程度行い、これを週3回続けると嚥下評価スコアが10点満点中6点から8点程度に改善することが見込まれ、誤嚥性肺炎のリスクを約30％減らせるとされています。

和田:継続的なリハビリにより、例えば食事の際にむせにくくなったり、会話がスムーズになったりします。嚥下機能が改善すると自宅でも安心して食事ができ、栄養状態の改善も期待できます。言語機能が上がれば、家族や友人とのコミュニケーションが活発になり、孤立感の軽減や気分の安定にも繋がるんですよ。

和田:評価にはいくつかの方法があります。例えば「標準嚥下評価スケール」や「言語理解力テスト」など、数値や点数で測れるものを使っています。開始時に測定し、1ヶ月ごとに同じテストを繰り返して進歩を記録。また、利用者さん本人やご家族の感想も大事にして、日常でどのくらい変化があったかも合わせて評価しています。こうすることで、一人ひとりに合ったリハビリ計画を立て、より効果的に支援できるようにしています。

和田:カナさん、良い質問ですね。言語聴覚士は主に「話す」「聞く」「飲み込み」などの機能を改善するためのリハビリを行います。ご家族ができるサポートの一例としては、リハビリで練習している「発声練習」や「舌の動かし方」の宿題を、ご自宅で付き添って一緒に取り組んであげることが挙げられます。
例えば、舌の筋力を鍛えるリハビリでは「舌を上に5秒間押し付ける」という運動を10回3セット行います。こういった練習は継続が鍵で、家族の協力で日常的に行われることで、実際に飲み込みのリスクが減り誤嚥性肺炎の予防にもつながります。

和田:リハビリの効果は、利用者の状態にもよりますが、一般的には3ヶ月ほど継続すると「口から食べる量が増えた」とか「言葉の聞き取りやすさが向上した」という改善が見られます。評価指標としては、「嚥下評価スケール（例えばMASA）」や「言語理解テスト」のスコアが向上することで客観的に確認されます。
ご家族は、例えば食事中のむせや咳の回数、話す際の言葉のはっきり具合、また会話が続く時間などを観察して記録してみてください。小さな変化でもスタッフへ伝えることで、リハビリプランの調整に役立ちます。

和田:例えば、飲み込みのリハビリでは「口の周りの筋肉を動かす練習」「舌の運動」「嚥下のタイミングをつかむ練習」などがあります。さらに言語面では、「発音練習」や「言葉を選び出す訓練」「聞き返しへの対応練習」などです。
具体的には、嚥下訓練では水やゼリーを使い、飲む速度や量を調整しながら安全に飲み込めるよう訓練します。言語練習では、1回のセッションで20〜30分ほど声を出したり、言葉の組み立てを練習します。これらは日常生活での安全な食事とコミュニケーションの向上に直結します。

和田:はい、無理強いは禁物です。リハビリの練習は疲れやすいため、疲れが強い日は回数を減らしたり休ませることも大切です。また、利用者がリハビリの意味や効果を理解しやすいように、簡単な言葉で理由を説明してあげると、積極的に取り組みやすくなります。
そして、変化を感じた時は一緒に喜び、逆に難しい時は励ましながら続けることが効果の継続につながります。デイケアの言語聴覚士とも定期的にコミュニケーションをとって、アドバイスをもらうことも大切です。

和田:言語聴覚士のリハビリは、施設での専門的な練習だけではなく、ご家庭での日常的な取り組みがあって初めて最大限の効果を発揮します。家族の方が一緒に関わることで、リハビリの内容が日常生活の中で自然に活かされ、利用者の自立や生活の質がより向上するからです。
例えば、施設で毎日30分練習した言葉の訓練を、お家で30分復習すると、効果は約1.5倍になるという研究データもあります。つまり、家族のご支援は利用者様の回復にとって欠かせない力となります。