デイケアの専門用語「バランス訓練」を詳しく教えて!

こんにちは、カナさん。おばあさまをデイケアにお迎えするにあたり、「バランス訓練」という言葉が気になっていらっしゃるのですね。私は30年以上デイケアに携わってきた看護師の和田です。バランス訓練は、転倒予防や歩行の安定に欠かせない大切なリハビリの一つです。今回はこの専門用語を、わかりやすく優しくご説明しますので、安心して読み進めてくださいね。
当ブログは全てAIが執筆しています。優しい気持ちでお読みください。

バランス訓練とは具体的にどんな内容ですか?

カナ:バランス訓練とは具体的にどんな内容ですか?
和田:カナさん、バランス訓練は転倒を防ぐために体のゆれをコントロールする力を鍛えるリハビリのことです。具体的には、片足立ちや、足踏みをゆっくり行ったり、歩くときの姿勢を整える練習をします。たとえば、最初は10秒間片足で立つ練習をして、それができるようになれば30秒まで延ばす、といった段階的な目標を設定します。こうした訓練で、転倒のリスクを30~50%減らせると報告もあります。ほかにも、平衡感覚を測ることで体のゆれ具合を評価し、改善を数値で確認していきます。
カナ:歩く練習も含まれるんですね。歩くときの姿勢って、具体的にどう直せばいいんでしょうか?
和田:はい、歩く姿勢の改善では、まず骨盤の位置を意識してもらいます。たとえば、骨盤が前に傾くと腰に負担がかかりやすくなりますから、骨盤をまっすぐ立てる練習をします。具体的には、壁に背中をつけてその感覚を覚えたり、歩く際にはかかとから着地してつま先で蹴り出す動作を意識してもらいます。こうした動きは筋肉の連動をスムーズにし、歩幅が平均的には約40~50cm程度、歩行速度も1秒間に約1メートルのスピードを維持できるように目標を設けます。改善が進むと、歩行時のふらつきが少なくなり、転倒しにくい歩き方が身に付くというわけです。
カナ:なるほど。片足立ちはどれくらいの期間で続けるものですか?毎日やった方がいいですか?
和田:だいたい週に2~3回のペースで、1回あたり15~20分ほど取り組むことが一般的です。最初は短い時間で構いませんが、継続することが重要です。毎日でも無理がなければ問題ありませんが、体調に合わせて無理なく行っていただくのが大切です。この訓練を3ヶ月ほど続けると、片足立ち時間が15秒から平均30秒に伸びるケースが多いです。これにより筋力や反射神経が向上し、日常生活でのバランスも安定しやすくなります。
カナ:バランス訓練の成果はどうやって確認するんですか?具体的な評価方法がありますか?
和田:はい、評価には「立位バランス検査」や「TUGテスト(Timed Up and Go)」がよく使われます。立位バランス検査では、静止した状態でどのくらい体の揺れが少ないかを計測し、揺れが少ないほどバランスが良いと判断します。TUGテストは、椅子から立ち上がって3メートル歩き、また戻って座るまでの時間を計測します。平均はおよそ8~10秒ですが、改善すると7秒台になることもあります。これらの数値が改善すると、転倒のリスク低減や、自立した歩行がより安定することを示しています。カナさんのご祖母様もこうしたデータを基に状態の変化を実感できると思いますよ。
カナ:分かりました。どんな道具や場所で訓練することが多いですか?家でもできるものですか?
和田:基本的には施設の安全な場所で行いますが、手すりやマット、バランスボードといった簡単な道具を使うこともあります。たとえば、バランスボードは体が前後左右にゆれる感覚を鍛えるのに最適です。家でも、椅子や壁を支えにして片足立ちをしたり、ゆっくり歩く練習は可能です。ただ、ご祖母様の状態や怪我のリスクを考慮してから実施するので、必ずスタッフや専門家の指示に従った方が安全です。安心して続けられる環境が何より大切ですからね。

デイケアで行うバランス訓練の目的は何ですか?

カナ:デイケアで行うバランス訓練の目的は何でしょうか。
和田:カナさん、バランス訓練の目的は転倒予防と日常生活の自立支援にあります。具体的には、立ったり歩いたりする際の体の安定を保つ力を高めることです。例えば、片足立ちが10秒できると転倒リスクが40%減るという報告もあります。
カナ:どんな具体的な訓練内容があるのですか。
和田:代表的なものでは、まず足踏みや踏み台昇降のような単純な動きから始めます。それから体の重心移動を意識する訓練として、前後左右にゆっくり体を揺らす運動を行います。加えて、床に置いた小さな障害物をまたぐ練習も行います。こうした動きで身体の感覚や筋力を鍛えていくんです。
カナ:どのくらいの頻度で訓練すると効果があるのでしょうか。
和田:週に2~3回、1回あたり30分から45分ほど続けるのが目安です。継続すると、例えば歩行速度が0.1m/秒改善したり、Timed Up and Goテストの時間が10秒から8秒に短縮されることもあります。これが日常生活の動作が楽になる具体的な数字の一例です。
カナ:改善が続くと、生活の中でどんな変化が期待できますか。
和田:転倒のリスクが減るので、外出時の不安が軽減されます。また、自分で安全に歩いたり買い物したりできることが増えて、介護の負担も減ります。体のバランスが良くなると階段の昇り降りや身支度も楽になり、全体的に自立した生活が続けやすくなりますよ。
カナ:ありがとうございます。バランス訓練が具体的にどう役立つのか、しっかりイメージできました。

バランス訓練が高齢者に与える効果はどのようなものですか?

カナ:デイケアで行われるバランス訓練が高齢者にどんな効果をもたらすのか教えていただけますか?
和田:カナさん、バランス訓練は高齢者の転倒予防にとても重要です。具体的には、立ったときや歩くときにふらつかないよう筋肉や神経の調整を鍛えるものですね。デイケアでは例えば、片足立ちの時間を少しずつ伸ばしたり、段差を上がり下りする練習を行います。これによりバランスが30%ほど改善したという研究結果もあります。
カナ:片足立ちの練習はどのくらいの時間をかけて行うものですか?また、どんな効果が具体的に現れますか?
和田:まずは1回30秒程度の片足立ちから始めて、1回のセッションで3〜5セット行います。デイケアで週3回程度、一か月続けると、バランス検査である「バーバルバランステスト」の点数が平均5点ほど上がることが多いです。効果としては、歩行時のふらつきが減り、転倒率が年間で約40%減ったというデータもあります。
カナ:そうすると、転倒を減らすことは生活の質にも影響しそうですね。具体的にどんな変化が期待できるのでしょうか?
和田:例えば転倒が減ることで、骨折やケガのリスクが下がり、通院や入院の回数が減るケースが多いです。また、安心して歩けるようになるため、外出頻度が増え、社会参加が活発になります。これに伴い認知機能の低下予防にも良い影響があります。利用者の生活全体が健康的に保たれ、自立度も高まるというわけです。
カナ:なるほど。バランス訓練のほかにも、どんなリハビリを受けられますか?
和田:通所リハビリ、つまりデイケアでは筋力トレーニングや歩行訓練、認知機能訓練も行っています。筋力トレーニングでは、例えばレッグプレスやスクワットを軽い負荷からスタートし、週3回のペースで行い、1〜3か月で下肢筋力が10〜15%向上することを目指します。歩行訓練では、段差昇降やスロープ歩行の練習で歩行速度が0.1〜0.2m/秒改善することも期待できます。
カナ:どうして歩行速度が重要なのですか?
和田:歩行速度は高齢者の生活機能の指標のひとつです。一般的には1.0m/秒以上であれば日常生活に問題が少ないとされ、0.8m/秒以下だと転倒リスクが高まります。ですから、0.1m/秒歩行速度が速くなることは、日常生活が安全に送れるようになる大きな意味があります。
カナ:なるほど、リハビリを継続するとより自立した生活を送れるようになるのですね。ありがとうございました。
和田:カナさん、また何か気になることがあればいつでも聞いてくださいね。

通所リハのバランス訓練と自宅での運動はどう違いますか?

カナ:通所リハで行うバランス訓練と自宅での運動は具体的にどう違うのでしょうか。祖母にとってどちらが良いのか知りたくて。
和田:カナさん、いい質問ですね。通所リハでのバランス訓練は、理学療法士や作業療法士など専門のスタッフが医師の指示に基づいて行います。自宅での運動と比べると、プログラムが科学的に組まれていることが大きな違いです。例えば、バランス訓練では、片足立ちや体幹トレーニング、歩行補助練習などを、1回40分、週2〜3回の頻度で行います。これにより、平均で10週間後には転倒リスクを示す「TUGテスト」の時間が30%短縮されることが報告されています。
カナ:自宅でも似たような体幹トレーニングはできますよね?それならば家でやっていても効果は期待できると思うのですが。
和田:確かに自宅でもトレーニングは可能です。ただ、通所リハではスタッフが動きを細かく観察し、その場で微調整や修正を加えます。たとえば、体幹の動きがズレている場合、まっすぐ姿勢を保つために具体的な支え方や動かし方を教えてくれます。これが自己流で行う運動との大きな違いです。また、最新のバランス訓練機器を使った評価もでき、結果を数値で確認しながら段階的に負荷を調整します。
カナ:なるほど。専門機器での評価というのは具体的にどういうものですか?
和田:例えば、「バランス評価装置」という足のプレートに立つだけで、重心のぶれや揺れの大きさが数値化されます。これにより、どの程度バランス能力が低下しているかを把握し、訓練内容を個別に設定できます。たとえば、通常40秒以上安定して立てる高齢者でも、祖母が20秒しか立てなければ、この数値をもとにバランス訓練の強度や種類を判断します。これらは自宅の運動では得にくい客観的な評価です。
カナ:家族としては毎日取り組む自宅運動も大切だと思うのですが、通所リハとの役割分担はどう考えればいいでしょうか?
和田:非常に良い視点です。通所リハで週に2〜3回、専門的なバランス訓練をしっかり行いつつ、自宅では毎日15〜20分の簡単なストレッチや歩行訓練を続けてもらうのが理想的です。通所リハで改善状況が数値化されるため、家での運動プランも毎回見直しやすくなります。こうして専門家の管理下で自宅運動を続けることで、転倒リスクが大幅に減り、日常生活の自立度が3〜6ヶ月で向上すると言われています。
カナ:ありがとうございます。最後に、バランス訓練が進むことで、祖母の日常生活はどのように具体的に変わるのでしょうか?
和田:バランス訓練によって転倒の心配が減ると、祖母は外出や買い物、家の中での動きが安心してできるようになります。例えば、50メートルの歩行時間が10秒短縮されたり、歩行中のふらつきが明らかに減り、介護負担も軽減します。また、活動範囲が広がることで精神的な健康も向上し、うつ症状の改善や認知機能の維持にもつながります。つまり、バランス訓練は単に運動機能を上げるだけでなく、生活の質全体を高める効果があるのです。

バランス訓練にはどのような種類がありますか?

カナ:バランス訓練にはどのような種類がありますか?
和田:カナさん、バランス訓練にはいくつかの種類があります。大きく分けると「静的バランス訓練」と「動的バランス訓練」があります。静的は、例えば椅子に座ったままで片足を少し上げる練習のように、体を動かさずにバランスを保つ練習です。一方、動的は歩行や体重移動を含む訓練で、日常生活での動きを安全に行えることを目指します。どちらもバランス能力の指標となる「姿勢保持時間」や「歩行速度」の改善が期待されます。
カナ:動的バランス訓練の具体的なメニューを教えてもらえますか?
和田:はい、動的バランス訓練の具体例としては、まず「歩行練習」があります。平坦な場所だけでなく、段差や傾斜のある場所も歩く練習です。次に「方向変換訓練」として、指定した方向にスムーズに歩き出せるよう促すこともあります。また、「障害物回避訓練」として、コーンや椅子を避けて歩くトレーニングも含まれます。これにより、歩行速度の平均値が1.0m/sから1.2m/sへ向上し、転倒リスクも約30%減少すると報告されています。
カナ:なるほど。静的バランス訓練はどういった効果が期待できますか?
和田:静的バランス訓練は、体の感覚を磨く練習になります。例えば、片足立ちを30秒以上維持できるようになると、転倒予防の一助になります。こうした訓練は、身体の安定性を高めて筋肉の連携を良くするので、立ち上がりや座る動作の安全性が向上します。評価指標として「片足立ち保持時間」が使われ、15秒未満だった方が30秒以上保持できるようにすると、日常動作の自立度(ADL)が20%程度改善するケースもあります。
カナ:その訓練はデイケアでどのくらいの頻度で行うものですか?
和田:通常は週に2〜3回、1回あたり30分から1時間のリハビリセッションで行います。継続的に行うことで、例えば3ヶ月で歩行速度が10〜20%向上し、転倒件数も半減すると言われています。これにより、祖母さまが家の中や外出時に安心して動ける時間が増えて、日常生活の質が高まるのです。
カナ:生活の中で具体的にどう変わるかイメージしやすいです。
和田:そうですね。例えば、買い物に行くときに杖や介助なしで歩ける距離が伸びたり、椅子から自分でスムーズに立ち上がれるようになります。こうなると介護の手間も軽減できて、祖母さま自身の自信にもつながります。訓練は無理なく続けられるよう調整しますので安心してください。何か他に気になることはありますか?

バランス訓練を行う際の注意点や安全対策は?

カナ:デイケアで行うバランス訓練の際に、どんな点に注意すればいいのでしょうか?安全面についても教えていただけますか。
和田:バランス訓練は転倒予防や歩行の安定性向上に非常に役立つので、デイケアでもよく取り入れています。注意点としては、利用者さんの体調や筋力、認知機能の状態に合わせて負荷を調整することが大切です。例えば、最初は椅子や壁などの支えを使って、立っている時間を30秒から1分程度から始めます。無理に長く続けると、体がふらついて倒れてしまう危険があるためです。
安全対策としては、床に滑り止めマットを敷いたり、周囲に手すりや安定した支えを設置したりします。スタッフが近くで付き添い、転倒した時すぐに支えられるようにすることも重要です。訓練の前後には、血圧や脈拍のチェックも忘れません。これらは体の負担を見極めるためですね。
カナ:具体的なリハビリ内容についてもう少し教えてください。例えば、どんな動きをするのか知りたいです。
和田:はい、具体的には「立ち上がり訓練」「片足立ち」「足踏み」などがあります。立ち上がり訓練は、椅子から安全に立ち上がる練習で、足の筋力を強化します。これにより介助なしでの立ち上がり回数が増えることが期待できます。例えば、初めは椅子からの立ち上がりで5回連続できなかった方でも、継続すると10回以上できるようになることもあります。
片足立ちはバランス感覚を養うもので、最初は10秒から始め、最大で30秒維持できるよう目指します。足踏みは歩行時のリズムや足の関節の柔軟性を高め、1分間での足踏み回数が増えることも目標の一つです。
こうした訓練を週に2〜3回、1回あたり30分程度じっくり行うことで、転倒リスクが約30%減るという研究報告もあります。身体の安定が良くなるため、日常生活の移動範囲が広がり、自宅でもより安全に動けるようになります。
カナ:なるほど。ご本人の状態に合わせて負荷を調整するとのことですが、具体的にはどう判断するのですか?
和田:質問ありがとうございます。判断基準はまず、ご本人の筋力レベルや体力テストの結果、そしてリハビリ開始時の歩行距離や安定感などです。例えば、歩行距離が50メートル未満の場合や、バランス検査で両足立ちが5秒未満のときは、椅子を使っての支えあり訓練から始めます。逆に、50メートル以上歩けて、両足立ちが10秒以上できる方なら、支えなしでも徐々に難易度を上げます。
体調の変化も毎回チェックし、血圧が大きく上下したり、めまいを訴えたりする場合は、その日の訓練を短縮したり中断したりします。これにより無理なく安全に続けられますので、ご家族の方も安心して見守っていただけると思います。
カナ:ありがとうございます。逆に注意しなければいけない症状や状況はありますか?
和田:はい、例えば強いめまい、胸の痛み、呼吸困難、強い疲労感があるときは直ちに中断して医師の診断を受ける必要があります。また、骨粗しょう症が進んでいる方や重度の関節痛がある場合は、無理に負荷をかけると骨折や痛みの悪化につながるため、細心の注意が必要です。
バランス訓練に入る前に整形外科や内科の医師と連携して安全なプログラムを立てることが大切です。デイケアではそういったチェックも毎回行っていますので、ご安心ください。
カナ:わかりました。最後に、継続的にバランス訓練を行うことで日常生活はどのように変わっていくのでしょうか?
和田:続けることで転倒リスクが減ることはもちろんですが、それ以上に歩行距離が伸びたり、自立度が高まったりします。例えば、最初は10メートルも歩くのが不安だった方が、数か月後には30〜50メートル歩けるようになり、自宅での移動やトイレまでの往復が自分で可能になります。
これにより介助の負担も減り、ご本人の自信や意欲も向上します。筋力やバランス感覚が改善すれば、外出の範囲も広がるため、社会的な交流も増えやすいです。このように、生活全般の質が大きく良くなることが期待できます。
カナ:丁寧な説明でとても助かりました。和田先生のお話を参考に、祖母のリハビリについても安心して考えられそうです。ありがとうございます。
和田:ご質問があればいつでもおっしゃってください。大切なご家族のために、しっかりサポートさせていただきますね。

バランス訓練が転倒予防に役立つ理由は何ですか?

カナ:バランス訓練が転倒予防に役立つ理由は何ですか?
和田:カナさん、バランス訓練が転倒予防に役立つ理由をお話ししますね。私たちの身体は立ったり歩いたりするとき、無意識にバランスを保っています。このバランス能力が低下すると、転びやすくなるんです。バランス訓練では、体の重心をコントロールする筋肉や神経の働きを強化します。例えば、片足立ち、または柔らかいマットの上で歩く練習をします。リハビリを3か月間続けると、立位バランスの評価である「片脚立位保持時間」が、平均で20秒から40秒に延びるケースもあります。こうした改善が転倒の危険を減らすんです。
カナ:なるほど。バランス訓練は具体的にどんなメニューがあるのですか?
和田:良い質問ですね。デイケアで行うバランス訓練のメニューは多彩ですが、代表的なものとして次の3つがあります。まず「片足立ち訓練」。これは壁や手すりを使いながら片足で立つ時間を徐々に延ばしていきます。最初は5秒から始め、最終的には30秒やそれ以上も目指します。次に「足踏み訓練」。ふらつきを減らすために、ゆっくり足踏みを繰り返すことで体幹の安定感を高めます。最後に「バランスボードやクッションの上での訓練」です。少し不安定な場所で体の微調整を繰り返すことで、筋肉と神経の連携が良くなり、日常生活でのバランス感覚が向上します。
カナ:それらの訓練はどれくらい続けると効果が出るんでしょうか?
和田:一般的には週に2~3回、1回あたり30分から1時間程度を3~6か月続けることで、転倒リスクの指標となる「Timed Up and Goテスト(TUG)」のタイムが、たとえば12秒から9秒台に改善することが期待できます。TUGは椅子から立ち上がり3メートル歩いて戻る時間を計るもので、この数値が下がるほど動作が安定し、転倒が減るというデータがあります。継続的に訓練をすることで、利用者の方が自信を持って歩けるようになり、日常生活における自由度も高まります。
カナ:転倒防止以外にも、バランス訓練にはどんな良い点がありますか?
和田:バランス訓練を続けると、姿勢が良くなり、腰や膝の負担も軽減されます。また、転倒予防につながるだけでなく、歩行速度の向上や筋力アップも期待できます。例えば、バランス強化によって歩行速度が毎秒0.1メートル速くなると、転倒リスクが大幅に減少すると言われています。さらに、こうした体の安定感が増すと、外出や趣味の活動に積極的になり、認知機能の低下予防にも役立つんですよ。
カナ:リハビリ以外のサービスとバランス訓練はどう関わっていますか?
和田:デイケアでは、バランス訓練だけでなく、日常生活に必要な動作練習やレクリエーションも行います。これにより機能の向上が生活の中で活かされやすくなります。利用者さんは楽しく体を動かしながら、無理なくリハビリを続けられるため、結果的に転倒予防効果が長続きします。例えばレクリエーションで体操を取り入れ、全身の柔軟性や協調性を高めることがバランス能力の底上げに繋がるんですね。

バランス訓練を継続するためのコツやポイントは?

カナ:バランス訓練を継続するためのコツやポイントを教えていただけますか?祖母がデイケアで行う予定なのですが、なかなか続けるのが難しいと聞いています。
和田:カナさん、バランス訓練を継続するにはいくつか大切なポイントがあります。まず一つは、無理のない範囲で行うことです。たとえば、最初は1回につき5分程度の簡単な立ち上がりや片足立ちから始めて、徐々に時間や回数を増やしていくとよいですね。無理をして転倒してしまったら逆効果ですから。
カナ:片足立ちと言うと、具体的にどのくらいの時間立つのが目安になりますか?祖母は最初はあまり長くはできなさそうで。
和田:はい、最初は10秒間片足立ちができることを目標にします。実際には、5秒でも十分効果があります。そのうえで、毎日3セットを目指すのが理想です。こうした訓練を続けることで、バランスの指標である「片足立ち保持時間」が平均で約3倍に伸びることが多いんですよ。
カナ:それはすごいですね。ほかにはどんな訓練があるのでしょうか?
和田:他には、段差の昇降訓練や、足踏み、椅子に座っての体幹を鍛える体操などがあります。例えば段差訓練は足腰の筋力アップに効きます。筋力がつくと歩幅が広がり、歩行の安定性が上がるため、転倒リスクが減ります。数値的には歩行速度が1秒間に0.1メートル改善すると、生活の自立度が大きく上がるとデータがあります。
カナ:なるほど。祖母が退屈しないように、何か工夫はありますか?
和田:そうですね。レクリエーションや音楽と組み合わせるのも効果的です。例えば、手拍子に合わせてバランスをとったり、簡単なゲームを取り入れたり。楽しいと感じることで、続けやすくなります。生活の質も上がりますよ。
カナ:続けていくことで、どんな生活改善が期待できるのでしょうか?
和田:バランス訓練を継続すると、転倒回数が年間で約30%減るというデータがあります。さらに、歩行速度や立ち上がりのタイムも改善されるため、買い物や散歩などの日常的な外出が楽になります。結果的に、自立した生活が長く続けられ、介護の負担も軽減されます。
カナ:和田先生、よく理解できました。具体的な数字や方法を知れて安心しました。もう少し教えていただけますか?リハビリのプログラムで一般的に使われる評価方法などありますか?
和田:はい、よい質問ですね。デイケアでは「Timed Up and Goテスト」(TUGテスト)がよく使われます。これはイスから立ち上がって3メートル歩き、また戻って座るまでの時間を計測します。平均的には11秒以下が自立の目安です。祖母さんの現状が15秒くらいなら、6カ月のリハビリ後に12秒まで短縮できることがあります。この数値が改善することで生活の自立度がはっきりと向上すると言えます。
カナ:TUGテストで基準を知れば、成果も確認しやすそうですね。和田先生、他に家でできる簡単な訓練はありますか?
和田:家では、壁を使った片足立ちや、椅子に座っての足上げ運動が安全でおすすめです。例えば椅子に座って片足ずつ5秒以上上げる動きを10回繰り返すなど。無理なく続けることが大切なので、毎日10分程度を目標にしてください。デイケアでの専門的な訓練と組み合わせることで、効果が高まりますよ。

デイケアのバランス訓練に参加するのに適したタイミングはありますか?

カナ:デイケアのバランス訓練に参加するのに適したタイミングはありますか?
和田:カナさん、バランス訓練は身体の状態によって効果が変わります。理想的には、転倒のリスクが高まる前、つまり、歩行時にふらつきが出始めた頃から始めるのが良いです。例えば、歩行時のバランスを評価する指標として「TUGテスト(立ち上がって3メートル歩いて戻る時間)」がありますが、13.5秒以上かかる場合は転倒リスクが高いとされています。このくらいのタイミングでバランス訓練を開始すると、改善効果が期待できます。
カナ:TUGテストというのはどのように行うのでしょうか?具体的なイメージがあると助かります。
和田:TUGテストは椅子に座っているところから始まります。スタートの合図で立ち上がり、3メートル先にあるマーカーまで普通の速さで歩き、そこで折り返して再び椅子に座るまでの時間を計ります。およそ10秒以内で行えるのが健康な人の目安です。これを通じて歩行速度やバランス感覚を数値化し、どれだけ身体機能に問題があるかがわかります。
カナ:なるほど。バランス訓練ではどんな具体的なリハビリメニューがあるのですか?
和田:はい。バランス訓練のメニューにはいくつか種類があります。たとえば、片足立ち練習や、足踏み、ゆっくり歩行しながら視線を上げる動作、体重移動の反復練習などがあります。具体的には、片足で10秒間立てることができるように訓練します。こういった練習を週2~3回、1回あたり30分から45分程度継続して行うと、3ヶ月ほどでTUGテストの時間を1〜2秒短縮できる方が多いです。結果的に、転倒リスクの低減に繋がります。
カナ:バランス訓練が続くと、具体的には生活の中でどのような変化が期待できますか?
和田:バランス訓練を続けることで、転倒を防ぐだけでなく、歩行の安定性が増すため、外出する機会が増えます。例えば、歩幅がしっかり取れ、歩行速度がゆっくりから標準的な1.0m/秒以上に近づくと、日常生活で買い物や散歩といった活動に自信を持って参加できるようになります。また、バランスが良くなると姿勢が安定し、腰痛や膝痛の悪化も防げる場合があります。医療の現場ではこうした機能向上を「ADL(日常生活動作)」の改善、具体的には「歩行スピードの改善」や「転倒回数の減少」として評価しています。
カナ:もし祖母が今歩行時に少しふらついているが、毎日家の中の短い距離は歩けています。この場合でもバランス訓練は有効でしょうか?
和田:はい、非常に有効です。家の中で歩けていても、歩行に不安がある場合は転倒リスクが高まっています。例えば、ご本人のTUGが15秒程度であれば、バランス訓練で数秒縮めるだけでも転倒の危険がかなり減ります。そして、短い歩行距離でも体重移動の練習や姿勢制御の訓練を取り入れることで安全に歩行できる時間や距離が増え、生活の質も上がります。歩行能力は徐々に低下することもあるので、早めに継続的な訓練を始めることが勧められます。
カナ:バランス訓練以外に通所リハ(デイケア)で提供される代表的なリハビリは何でしょうか?
和田:通所リハでは、バランス訓練以外に筋力強化訓練、歩行訓練、ストレッチ、認知機能訓練なども行います。たとえば筋力強化では、椅子に座っての足上げや、立位でのスクワット動作を取り入れます。この筋力トレーニングは、下肢筋力を測る指標「30秒立ち上がりテスト」で30秒間に何回椅子から立ち上がれるかを改善することが目標です。こうした訓練を3ヶ月継続すると、立ち上がりの回数が7〜10回に増え、「歩行速度の改善」や「自立度アップ」に結びつきます。認知機能訓練も同時に行うことで、転倒の予防に重要な注意力や判断力の向上を期待します。
カナ:非常に勉強になります。最後に、祖母のようにすでに少し足元がおぼつかない高齢者が通所リハを始める際に、気をつけることなどはありますか?
和田:通所リハを始める際は、まず医師の診察と身体機能の評価を受けることが大切です。無理のない範囲で徐々に運動量を増やし、痛みや疲労を感じたらすぐに伝えるようにしましょう。また、服薬状況や持病の管理もしっかり行うことが安全なリハビリ継続のポイントです。ご家族の協力を得て、日常生活の中でも転倒予防の環境整備(滑りにくい靴や杖の使用、家具の配置見直し)を進めるとより効果的です。安全面をしっかり守りながら、本人のペースでリハビリに取り組むことが理想ですね。

バランス訓練に関連する専門用語や用具にはどんなものがありますか?

カナ:バランス訓練に関連する専門用語や用具にはどんなものがありますか?祖母をデイケア施設に入れるにあたって、基本的な言葉を知っておきたいです。
和田:カナさん、よい質問ですね。バランス訓練でよく使う専門用語には、「体幹(たいかん)」「感覚入力」「重心移動」などがあります。体幹とは、胴体の中心部分の筋肉のことで、ここがしっかりしていると安定した姿勢が保てます。感覚入力は、目や耳、足裏からの情報を脳に送り、バランスを取る手助けをする仕組みです。
用具としては、バランスボードやバランスマット、平行棒(へいこうきょう)、ストレッチポールがよく使われます。例えば、バランスボードは、揺れる台の上に立って体の重心を動かしながらバランス感覚を鍛える物で、1回5分、週に3回の訓練で安定性が向上します。
カナ:体幹という言葉は何となくわかりますが、具体的にどんな訓練をするのか教えてもらえますか?
和田:もちろんです。体幹訓練の一例として、椅子に座った状態で骨盤を前後にゆっくり傾ける「骨盤前後傾運動」があります。これを1セット10回、1日2~3セット行うことが多いですね。
ほかには、仰向けで寝て膝を曲げ、腹筋を使って上半身を少し起こす「腹筋訓練」も体幹を鍛えます。これらを続けることで、利用者の転倒リスクが約30%低下するというデータもあります。
カナ:感覚入力や重心移動についても、理解を深めたいです。具体的にはどんな訓練や用具が使われますか?
和田:感覚入力を促す訓練では、目を閉じて立ったり、足裏に違った素材のマットを敷いて歩いたりします。これにより、目や足裏からの情報が脳に伝わりやすくなり、バランスを調整できる力がつきます。
重心移動訓練は、例えば平行棒の中で左右にゆっくり体重を移動させる練習があります。1回5分ほどを週に2~3回続けると、重心のぶれが小さくなり、歩行中の安定性が改善します。
カナ:日常生活にどのように役立ちますか?リハビリが続くことでどんな良い変化がありますか?
和田:バランス訓練が続くと、転倒の頻度が減るだけでなく、自分で立ち上がったり歩いたりする動作が安定しやすくなります。例えば、介入前は歩行時の転倒リスクが高い方でも、3ヶ月継続すると転倒リスクが20~30%減少。
また、立ち上がり動作(椅子から自分で立ち上がる時間)も短縮されることが多く、介護スタッフの支援を減らして自立度を上げることができます。結果的には祖母の生活の質が向上し、笑顔も増えますよ。
カナ:ストレッチポールという用具に興味があるのですが、どんな効果があるのでしょうか?
和田:ストレッチポールは円柱をした柔らかめのポールで、背中に当ててゆっくり転がすことで背骨周りの筋肉をほぐす用具です。これにより、体のゆがみが矯正されやすくなって、姿勢が良くなりやすいです。
具体的には、1回10分使うだけでも肩こりや腰痛の軽減に効果がありますし、バランス能力も5~10%程度改善する報告があります。
カナ:ありがとうございました。使う用具や訓練内容がイメージできて助かりました。もしほかにバランス訓練で気をつけることがあれば教えていただけますか?
和田:はい。訓練中は無理をし過ぎないこと、特に最初のうちは転倒防止のために支えやすい環境で行うことが大切です。また、痛みがある部位は無理しない範囲で調整しながら進めます。
最後に、定期的な評価も大切で、例えば「TUGテスト(立ち上がり・歩行・戻って座るまでの時間測定)」で数値を追うことで、効果を客観的に確認できます。これにより訓練が効果的かどうかがわかりますので安心してください。