デイケアの専門用語「階段昇降訓練」を詳しく教えて!

はじめまして、看護師の和田です。おばあさまをデイケアに預けることを考えているカナさん、専門用語は最初は難しく感じるかもしれませんね。今日は「階段昇降訓練」について、わかりやすくお話しします。これは生活でとても大切な歩行訓練のひとつで、安全に階段を使えるようにサポートするリハビリです。どんな内容か知っておくと、おばあさまの安心にもつながりますよ。
当ブログは全てAIが執筆しています。優しい気持ちでお読みください。

階段昇降訓練とは何ですか?

カナ: 階段昇降訓練とは具体的にどのようなものですか?祖母が住んでいる家には階段があるので気になっています。
和田: カナさん、階段昇降訓練とは、文字通り階段を上り下りする動作を安全に、自立してできるようにするリハビリのことです。たとえば、1日に10段の階段をゆっくり降りたり登ったりする練習を繰り返して、筋力やバランス感覚を高めていきます。これによって転倒のリスクを減らし、日常での移動が楽になります。
カナ: そうなんですね。具体的にはどんな訓練メニューが行われるのですか?
和田: 具体的にはまず、足の筋力を強化するためのスクワットやつま先立ち運動から始めます。次に、バランス感覚を鍛えるため、片足立ちを30秒間キープする練習をします。それから実際に階段で、手すりを使いながらゆっくりと昇り降りを繰り返します。平均して週に2~3回、1回あたり30分程度の訓練を4週間続けると、歩行速度や階段の登り降りの安定度が約15%向上すると報告されています。
カナ: 階段の昇り降りだけでそんなに変わるんですね。転倒リスクはどのくらい減るのでしょうか?
和田: はい。階段昇降訓練を継続することで、転倒リスクの指標である「Timed Up and Goテスト」という歩行機能テストの結果が改善し、転倒リスクは約30%減るとされています。これにより、祖母さんが家の中や外での移動が安心してできるようになるわけです。
カナ: もし祖母が最初は怖がってしまったら、どうやって訓練を進めていくのですか?
和田: そういった場合はまず、低い段差や踏み台を使って階段昇降の感覚に慣れてもらいます。加えて、セラピストやスタッフがそばについてしっかり支えながら、安全を確保します。また、祖母さんの体調に合わせて運動強度を調整しますので、無理なくステップアップが可能です。
カナ: 自宅でも練習したほうが良いですか?
和田: 自宅で安全に行える場合は、毎日少しずつ練習することは効果的です。ただし、無理に行うと逆に危険ですので、最初は私たちスタッフの指導のもとで正しい動作を覚えることが大切です。例えば、手すりのある部分だけを使って10段を2セット繰り返すなど、段階的に進めていきます。
カナ: なるほど。階段昇降訓練以外にデイケアでよくあるリハビリメニューは何かありますか?
和田: ほかにも、歩行訓練や座位からの立ち上がり訓練、筋力トレーニング、ストレッチ、手先の細かい動きを鍛える指先訓練などを行います。例えば、歩行訓練では歩幅や歩数を測定し、改善具合を数字でチェックします。これら全体のリハビリを継続すると、日常生活動作スケール(ADL)が約10~20%向上し、自力での食事やトイレ動作が楽になるケースも多いです。

デイケアで階段昇降訓練を行う目的は何ですか?

カナ:デイケアで階段昇降訓練を行う目的は何ですか?
和田:カナさん、階段昇降訓練は、利用者さんが日常生活で安全に階段を上ったり下りたりできるようにするためのリハビリの一つです。例えば、階段の昇降は転倒しやすい動作なので、筋力やバランス感覚を整える訓練が重要です。
カナ:具体的にはどんな筋肉を鍛えるんですか?
和田:主に太ももの前側の大腿四頭筋やお尻の筋肉である大殿筋、ふくらはぎの腓腹筋などが使われます。これらの筋肉を鍛えることで、膝の安定性が高まり、段差の昇り降りが楽になります。実際には15段程度の階段で1分間に何回昇降できるかを目標にすることが多く、これが向上すると生活の自立度も上がります。
カナ:1分間に15段というのは具体的にどのくらいの改善なんでしょうか?
和田:最初は5〜7段しかできなかった方でも、週2〜3回のリハビリを2〜3ヶ月続けることで、15段ほど昇降できるようになるケースが多いです。これを「タイムド・アップ・アンド・ゴー検査(TUG)」という歩行能力の評価基準と照らし合わせると、20秒以内で階段昇降をこなせる方は転倒リスクがかなり低いとされています。
カナ:なるほど。リハビリの一環として、他にはどんな訓練もあるのでしょうか?
和田:階段昇降訓練と合わせて、筋力トレーニングやバランス訓練、ストレッチを行います。具体的には、椅子に座った状態での足の伸ばし運動や、片足立ちでのバランス維持訓練、体幹を鍛える腹筋・背筋運動などがあります。これらの訓練で筋肉の持久力がアップし、転倒予防につながります。
カナ:それらの訓練を続けることで、祖母の生活はどう良くなりますか?
和田:続けることで、階段昇降だけでなく歩行全般の安定性が増し、自宅内外での移動自由度が高まります。結果として買い物や散歩に自信を持って出かけられるようになり、活動範囲が広がり、認知機能の低下防止にもつながります。実際に利用者の方の平均生活自立度評価尺度(FIM)は、こうしたリハビリを半年続けると5〜10ポイント向上することが多いです。
カナ:具体的な評価基準があるのですね。階段昇降訓練は安全面での配慮はどうされていますか?
和田:施設では、手すりのある階段を使い、スタッフが側でサポートします。転倒を防ぐために、リハビリ時は利用者さんの体調や疲れ具合を常に見ながら、無理のない範囲で行います。訓練中は心拍数や呼吸の状態もチェックし、必要なら休憩を入れます。
カナ:ありがとうございます。階段昇降訓練の仕組みや効果についてよく分かりました。これで祖母のことを安心してお願いできそうです。

階段昇降訓練はどのような方法で実施されますか?

カナ:階段昇降訓練はどのような方法で実施されますか?
和田:カナさん、階段昇降訓練は利用者さんの体力やバランス能力に合わせて段階的に進めるものです。まずは手すりのある階段で、職員のサポートを受けながら1段ずつゆっくり昇り降りしていきます。一般的には1回の訓練で10分程度行い、1週間あたり2〜3回の頻度が目安です。
カナ:1段ずつというのは、片足ごとに昇り降りすることでしょうか?
和田:そうですね。最初は両足とも一段ずつ昇り降りする簡単な動作から始めます。例えば、右足を一段上げて次に左足を同じ段に揃える、その繰り返しです。慣れてくると、2段または3段ずつ昇る練習も取り入れ、足の筋力とバランス感覚を強化していきます。
カナ:具体的にどんな効果が期待できますか?たとえば筋力はどのくらい上がるものですか?
和田:良い質問ですね。リハビリの評価では下肢筋力を測るテストとして「30秒椅子立ち上がりテスト」がよく使われます。これは椅子から何回立ち上がれるかを数えるもので、階段昇降訓練を継続すると平均して2週間で5回ほど、利用者の肉体条件にもよりますが回数が増えるケースが多いです。筋力や歩行速度が向上すると、転倒リスクが30%以上減少すると言われています。
カナ:階段を使う以外に、補助器具などは使いますか?
和田:はい、初期段階では手すりのほか、杖や歩行器を使用することもあります。安全性を確保しながら、利用者の安心感を高めることが大切です。また、体幹を鍛えるバランスボードや座ったままできる足の曲げ伸ばしなどの訓練も組み合わせて、トータルで安定した歩行を目標にしています。
カナ:訓練を続けると普段の生活でどんな変化がありますか?
和田:継続的に訓練を行うことで、階段の昇り降りが楽になり、家の中や外出時の移動がスムーズになります。たとえば、階段を上る際の自信がつき、外出の機会が増えれば認知機能の低下も防げる可能性があります。歩行速度も平均して0.1メートル/秒程度改善することが多く、これは日常生活の自立度を高める指標となっていますよ。

階段昇降訓練が身体機能に与える効果は何ですか?

カナ:階段昇降訓練が身体機能に与える効果について教えていただけますか?
和田:カナさん、階段昇降訓練はデイケアでよく行うリハビリの一つです。具体的には、足腰の筋力をつけ、バランス感覚を養います。実際の階段を使う場合もありますが、昇降台を使って安全に訓練することも多いです。例えば、筋力測定で足の筋肉量が10%増えたというデータもあります。これにより、転倒リスクが下がり、自宅の階段の昇り降りが楽になる方が多いですね。
カナ:なるほど。筋力がつくと具体的にどんな動きが楽になりますか?
和田:例えば、以前は手すりをしっかり持たないと階段を上れなかった方が、訓練後は手すりなしでゆっくりと安全に階段を上がれるようになることがあります。歩行速度も1分間に約0.1~0.2メートル向上し、日常生活の自立度を評価する「基本的動作評価」でも向上が期待されます。
カナ:バランス感覚についてはどう改善するのですか?
和田:バランスは「立位バランス測定」で数値化でき、訓練前後で安定性が10~20%向上した例もあります。階段の昇降では体重移動と足の置き方の調整が必要なので、その練習を繰り返すことで、外での歩行やすり足の減少、転倒防止につながります。
カナ:訓練はどのくらいの頻度や時間で行うのが効果的ですか?
和田:具体的には、週に2~3回、1回につき20分前後の階段昇降訓練が標準的です。これに加えて、ストレッチや筋力トレーニング、歩行練習を組み合わせます。3か月続けると多くの利用者で歩行距離や独歩率の改善が見られます。
カナ:訓練を続けると日常生活はどのように変わりますか?
和田:訓練が続くと、例えば買い物や散歩に行く頻度が増え、転倒が減ることで怪我のリスクも低減します。結果として介護度の進行が遅れ、寝たきりになるリスクも減るんです。こうした成果は介護認定の評価にも反映されることがありますよ。

どのような利用者に階段昇降訓練が推奨されますか?

カナ:デイケアで行われる階段昇降訓練は、どのような利用者に特に推奨されるのでしょうか?祖母が安全に自宅の階段を使えるようになってほしいと思っています。
和田:カナさん、良い質問ですね。階段昇降訓練は主に、歩行に不安があったり、自宅や外出先で階段を安全に使いたい利用者さんにおすすめしています。例えば、歩行速度が1秒間に約0.8メートル以下の方や、バランス評価で「立位保持が不安定」と判断される方です。
カナ:なるほど。歩行速度が0.8メートル毎秒以下というのは、どんな意味合いがありますか?具体的に生活にどう影響するのでしょうか?
和田:歩行速度は生活の自立度を示す重要な指標です。0.8メートル毎秒以下だと、階段の昇り降りで転倒のリスクが高まります。目安として、健康な高齢者の平均歩行速度は約1.0〜1.2メートル毎秒です。訓練で速度を0.9メートル毎秒やそれ以上に上げることができれば、階段使用時の安全性がぐっと増します。
カナ:具体的に階段昇降訓練ではどんなメニューがあるのですか?祖母にもできそうな内容でしょうか。
和田:はい。まずは段差の少ないステップを使い、両手すりをしっかり握った状態での昇降練習から始めます。次に、支えの量を減らして自立度を上げたり、足の筋力を高めるためにスクワットやつま先立ちなどの脚部筋トレを行います。また、バランス感覚を向上させるために片足立ちの練習も取り入れます。回数は1回10分を週3〜4回、3ヶ月間続けることで、医学的には転倒リスクが20〜30%減少すると言われています。
カナ:それはすごいですね。リハビリが続くと生活全体でどんな変化が期待できますか?
和田:リハビリの継続で階段以外の歩行能力も改善し、自宅内での移動がスムーズになります。結果として、転倒による骨折や怪我のリスクが減り、介護度の悪化を防止できます。具体的には、日常生活動作評価で使う「改訂長谷川式認知症スケール」や「歩行評価スケール」での点数向上が期待でき、これらの数値は生活の質=QOL向上にもつながります。
カナ:なるほど。階段昇降訓練はただの運動じゃなくて、生活の安全や自立に直結しているんですね。ありがとうございます。他に気をつけることはありますか?
和田:はい。無理をしすぎないこと、そして医師や理学療法士の指導のもと正しいフォームで行うことが大切です。また、リハビリの進捗に合わせて負荷を調節することで、効果が最大化します。カナさんのお祖母様の状態に合ったペースで進めましょう。

階段昇降訓練を安全に行うための注意点は何ですか?

カナ:階段昇降訓練を安全に行うための注意点は何ですか?祖母が転ばないようにしたいので、教えてください。
和田:カナさん、階段昇降訓練は筋力やバランスを良くするために大切ですが、安全第一です。まず、手すりを必ず使うことが基本です。手すりにしっかり手を添えることで、転倒のリスクが大きく減ります。いつもよりゆっくり、焦らずに一段ずつ昇り降りするのがポイントですね。
カナ:手すりを使うのはわかりましたが、具体的にどのぐらいの速度で昇り降りすると安全でしょうか?
和田:良い質問ですね。理想的には、一段昇り降りするのに約3〜5秒かけるくらいが安全です。急いだり、小走りになったりすると筋肉やバランスが追いつかず転倒しやすくなります。訓練では最初はスタッフがそばについて声かけしながら進めますので、無理のない速度で続けることが大事です。
カナ:訓練中に注意する体の使い方はありますか?
和田:はい。姿勢にも気をつけましょう。背筋を伸ばし、足の裏全体でしっかり踏みしめることがポイントです。床と接する面積が多い方が安定しますし、膝を軽く曲げて衝撃を吸収するようにすると負担が減ります。さらに、足を出す時はつま先から着地するのではなく、かかとから徐々に体重を移動するイメージで行うと安定しますよ。
カナ:リハビリの具体的なメニューにはどんなものがありますか?階段昇降訓練以外にもあれば知りたいです。
和田:はい、例えば筋力強化では足首の曲げ伸ばしやスクワット動作を補助付きで行います。バランス訓練では片足立ちや体幹トレーニングが取り入れられます。これらを組み合わせることで、歩行速度が平均して20〜30%改善したり、バランステストのスコアが上がります。
階段昇降訓練は、それに加えて段差の大きさに合わせてステップアップ運動を行い、段差を上る筋力と安定性を鍛えています。利用者様の筋力が20%増えたケースもあり、その結果、日常生活での転倒リスクが大幅に減少しました。
カナ:リハビリを続けることで祖母の日常生活はどのように変わってきますか?
和田:続けることで、自分で買い物や散歩に行く範囲が広がることが多いんです。階段の昇り降りもスムーズになるので、家の中や外出先での移動が楽になり、介助が減って本人の自信も増します。また、バランスや筋力が改善すると転倒による骨折や怪我のリスクが減るため、入院や寝たきりのリスクが少なくなり、より自立した生活が可能になります。
カナ:ありがとうございます。最後に、階段昇降訓練を始める前に準備しておくことはありますか?
和田:そうですね。まず階段の段差の高さや幅を確認して、祖母様が踏み外しにくいように安定した手すりをつけておくことが重要です。さらに、足元に滑り止めマットを敷くのも効果的です。靴は滑りにくい底のものを選んで、サイズが合っているかもチェックしてください。
訓練時はスタッフが近くで見守りますが、最初は必ず付き添いがいる環境で行い、慣れてきたら少しずつ一人でも安全にできるよう支援していきます。こんな風に準備をすることで、安心して訓練を進められますよ。

デイケアの階段昇降訓練で使われる道具や設備は何ですか?

カナ:デイケアの階段昇降訓練で使われる道具や設備にはどんなものがありますか?
和田:カナさん、階段昇降訓練に使う道具や設備は主に3つあります。まず、段差の高さを調整できる練習用の階段ステップです。これは通常、5段くらいで1段の高さは約15センチメートルに設定されていて、実際の住宅の階段に近い高さで練習できます。次に、手すりです。両側に設置された安全な手すりを使い、バランスを取ったり体重をかけたりしながら昇り降りの動作を練習します。最後に、体重やバランス変動を数値で測る体重計やバランスボードも用いられます。これにより、利用者の安定性がリハビリ効果として数値化され、進捗の確認が可能になります。
カナ:手すり以外にどんな補助具が使われることもありますか?
和田:はい、カナさん。歩行補助具として杖や歩行器が使われることもあります。特に階段昇降が難しい方には、介助用の滑り止めマットやクッションが敷かれた練習用階段も使います。また、転倒防止のために介護スタッフがサポートできるように安全ベルトを装着することもあります。これらは全て、ご本人の安全と自信を高めるために用います。
カナ:具体的なリハビリメニューはどのようなものがあるのでしょう?
和田:具体的には、まず段差が低めの階段で昇降練習を始め、手すりを持ちながら左右の足を交互に上げ下げします。これにより太ももやふくらはぎの筋力が約10~15%向上し、脚力強化につながります。次に、バランスボード上で数分間立つ訓練をして、身体の傾きを数値で測りながらバランス感覚を鍛えます。これにより、転倒リスクの指標である「タイムアップ&ゴー」テストのタイムが約5秒短縮されるケースもあります。さらに、段差に足をかけて立ち上がる動作の繰り返しで、日常生活動作(ADL)の評価点も向上していきます。
カナ:これらの訓練を続けると、具体的に生活の中でどんな変化が期待できますか?
和田:階段昇降の訓練を継続すると、まず移動範囲が広がり、自宅内や外出先の階段の上り下りに自信がつきます。結果として、転倒事故の割合が30%以上減少するという報告もあります。また、脚の筋力とバランスが良くなることで、歩行の速度や安定感が向上し、介護度の低下も期待できるんです。具体的には、歩行速度が毎秒0.1m以上速くなると、日常生活の自立度がかなり改善することが示されています。これにより、長く自宅での生活を維持できるんですよ。

階段昇降訓練は認知機能にも良い影響を与えますか?

カナ:階段昇降訓練は認知機能にも良い影響を与えますか?
和田:カナさん、階段昇降訓練は身体機能の向上だけでなく、認知機能にも良い効果が期待できますよ。具体的には、階段の上り下りは足腰の筋力を鍛えるだけでなく、バランス感覚や集中力、判断力を使うため、脳の働きも刺激されます。たとえば、デイケアで週に3回、各30分の階段訓練を行うことで、認知機能の評価に使われる「MMSE」(簡単な認知機能検査)スコアが平均で2〜3点改善された事例もあります。
カナ:なるほど、階段自体が脳を使う運動ということですね。ほかにどんなリハビリメニューが認知機能に効果的ですか?
和田:はい、認知機能を高めるためには身体だけでなく脳も使うメニューが大切です。たとえば、手指の巧緻運動やパズル、計算問題、言葉遊びなどの課題も取り入れます。具体的には、1回30分のリハビリで、週に2回は身体を動かす階段昇降訓練やウォーキング、残りの1回は認知課題として計算ドリルや記憶トレーニングを行います。こうしたメニューを3ヶ月続けると、認知機能スクリーニング検査の「MoCA」で平均して3〜5点の向上が見られ、日常生活の中で迷子になる頻度や物忘れの回数が減ったと報告されています。
カナ:具体的な数字で改善がわかると安心します。では、これらの訓練が続くとおばあちゃんの日常生活はどんなふうに変わりますか?
和田:良い質問ですね。リハビリを続けて筋力や認知機能が上がると、安全に歩ける距離が1.5倍ほど増えたり、転倒のリスクが約30%減るデータがあります。認知機能の向上で、日常の買い物やお薬の管理がしやすくなり、介護の負担も軽くなっていきます。結果として、自立した生活時間が年間で50時間以上増えることもあるんです。これが続くとおばあちゃんの生活の質が格段に上がり、安心して過ごせる時間が増えるというわけです。
カナ:分かりました。階段昇降も認知課題も組み合わせてリハビリをするんですね。ところで、もしおばあちゃんが途中で疲れてしまったり、不安を感じた時はどう対応するべきでしょうか?
和田:その場合は無理せず、訓練の時間を短くしたり強度を下げることが大切です。たとえば、階段昇降を1回20ステップから10ステップに減らしたり、認知課題も難易度を下げて行います。また、不安が強い時はその気持ちをしっかり聞いて、リラックスできる環境作りを心掛けます。訓練は継続することが目的なので、「できる範囲で続ける」ことが何より重要なんですよ。
カナ:ありがとうございます。無理をさせずに続けられることが大事なんですね。デイケアでのリハビリは医師の指示が必要とのことですが、具体的にはどのような流れで始まるのでしょうか?
和田:医師の指示があることで、利用者さんに合ったプログラムが組まれます。最初に身体や認知の状態を評価し、どの訓練が適切かを判断します。たとえば、「歩行距離が50メートル以下」「MMSEスコアが20点未満」など、評価結果に基づいて個別メニューを決定します。その後、理学療法士や作業療法士が担当してリハビリを進め、定期的に再評価を行いながらメニューを調整していく流れになります。
カナ:よくわかりました。ありがとうございました。おばあちゃんが安心してリハビリに取り組めるように、しっかり準備していきたいと思います。

階段昇降訓練の効果を測定・評価する方法はありますか?

カナ:階段昇降訓練の効果を測定・評価する方法はありますか?
和田:カナさん、階段昇降訓練の効果を測る方法はいくつかあります。例えば、「タイドアップテスト」と呼ばれるものがあり、一定の階段を上り下りするのにかかる時間を測ります。このような時間測定で体力の向上を評価できます。また、「10メートル歩行テスト」で歩く速度や歩き方を評価することもよくあります。これらの数値が改善すると、体力やバランスが良くなったと判断できるんです。
カナ:タイドアップテストでは具体的に何段の階段を登るのですか?また、どのくらいの時間が目安になるのでしょう?
和田:一般的には、10段から12段程度の階段を用います。例えば、最初に登り降りにかかる時間を30秒としたら、訓練を数週間続けた後にその時間が25秒に短縮されることが目標になります。つまり、5秒の短縮があると持久力や下肢筋力がしっかりついてきた証拠です。もちろん、無理はせず利用者の体調に合わせて進めていきます。
カナ:ほかに、どんなリハビリメニューがあって、それがどう生活に役立つのか教えてください。
和田:階段昇降訓練以外では、例えば座った状態から立ち上がる練習や、足踏み運動、バランスを取るための片足立ち訓練などがあります。これらを週に2~3回、15~20分ずつ、3か月ほど継続すると「立ち上がり動作時間」が平均10秒から8秒に短縮されることがあります。こうした改善は、日常生活の歩きやすさや転倒予防に直結します。要は、家の中でも安心して動けるようになるということです。
カナ:それは心強いですね。継続してリハビリをする本人の動機付けはどのようにされていますか?
和田:良い質問ですね。リハビリは数字の改善だけでなく、できることが増えた喜びや、友人と一緒に運動する楽しさを感じてもらうことも大事です。だから私たちの施設では、利用者さんの目標や希望を聞いて、「今日はここまで行けましたね」と具体的に伝えたり、小さな達成感を感じられる工夫をしています。そうするとご本人も自信がついて、継続しやすくなるんです。
カナ:分かりました。最後に、リハビリの効果を正確に評価するために、どんな記録をとるとよいでしょうか。
和田:階段昇降の時間や歩行距離、立ち上がりにかかる時間といった具体的な数字を定期的に記録します。あとは、転倒の回数や日常生活での支援の度合いも合わせて記録すると、全体の改善がよく見えます。例えば3か月で10秒かかっていた立ち上がりが8秒になり、転倒なしの日が増えているなら、リハビリがきちんと効果を出していると言えますよ。こうしたデータは、医師やスタッフと共有して次のケアプランを立てるのにも役立ちます。

自宅でもできる階段昇降訓練のポイントは何ですか?

カナ:自宅でできる階段昇降訓練のポイントを教えていただけますか?祖母のリハビリに役立てたいと思っています。
和田:カナさん、階段昇降訓練ですね。まず大切なのは安全を確保することです。手すりをしっかり握って、ゆっくりと一段ずつ昇り降りさせることが基本です。おおよそ20~30回の昇降を1セットにして、1日に2~3セット行うと良いでしょう。ただし、疲れやすければ回数は調整してください。訓練を続けると、脚の筋力がつき、転倒リスクが約30%減るという報告もあります。
カナ:ありがとうございます。手すり以外に注意することはありますか?例えば、階段の段差の高さとか。
和田:とても良い質問です。階段の段差はできれば15cm以内の低めのものが理想です。高すぎると負担が大きくなり、疲れやすくなります。段差が高い階段を使う場合は、一度に昇る段数を減らし、ゆっくりと昇降を行うよう心掛けることが重要です。また、しっかりした靴を履くことで滑りにくくなりますし、床が濡れていないことも大切です。
カナ:普段の生活の中でもできる運動はありますか?階段昇降訓練以外で祖母の脚力アップに役立つものを知りたいです。
和田:ありますよ。例えば、椅子から立ち上がる動作を繰り返す「立ち座り運動」は、太ももの筋肉を効果的に鍛えられます。1セット10回を1日3セット目安に行いましょう。この動きは日常生活動作の改善に直結していて、筋力向上によって歩行速度が約0.1m/sアップし、自立度の指標である改訂版Barthel Indexも改善すると言われています。ほかには、つま先立ち運動や足首の曲げ伸ばしもバランスと柔軟性の向上に役立ちます。
カナ:階段昇降も立ち座りも良さそうですね。ですが、祖母は疲れやすいので途中で休みながら行うべきでしょうか?
和田:そうですね、無理は禁物です。疲れたら途中で休憩し、呼吸が整うまで待つのが基本です。理想は運動後も5分ほどゆっくり歩くなどしてクールダウンを入れることです。疲労が強い場合は、1日の回数を減らしたり、間に休憩時間を多めに入れてください。継続が大事ですので、体調に合わせて調整することが結果を長く維持するコツです。
カナ:階段昇降訓練が続くと、具体的にはどんな変化が見られるでしょうか?
和田:階段昇降訓練を継続すると、筋力が向上し歩行速度が速くなったり、歩幅も広がることが多いです。これにより転倒リスクが減り、外出の頻度が増える方もいます。例えば、リハビリ開始時の歩行速度が0.7m/sだった方が、3ヶ月後には0.9m/s程度まで改善することがあります。これが日常生活の自立度や生活の質にもつながるんですよ。
カナ:なるほど、数字で見ると成果がイメージしやすいです。最後に、訓練を続けるために注意したほうがいいことはありますか?
和田:一番大切なのは、無理せずストレスなく続けることです。リハビリは短期で劇的に変わるものではなく、コツコツ続けることで効果が積み重なります。目標を小さく分けて、例えば「今日は10回昇る」から始めて、調子を見ながら増やすと良いですね。また、リハビリだけでなく、栄養バランスの良い食事や十分な休息も筋肉の回復に欠かせません。全体の生活リズムを整えることが継続の鍵です。
カナ:和田先生、とても詳しく教えていただき助かりました。祖母のリハビリにしっかり活かしていきたいと思います。